エラーが出てフォーマットできないUSBを強制的に初期化する方法【Windows対応】

USBがフォーマットできない原因や注意点を丁寧に解説し、Windowsで実践可能な強制フォーマットの4つの方法をわかりやすく紹介。さらに、フォーマットできない場合の対処法や強制フォーマット後にデータを復元できるかどうかも詳しく解説。USBトラブルに悩む方に役立つ実用的な情報をまとめています。

カオル

更新者: カオル / 2025年05月29日

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USBメモリをフォーマットしようとした際、「Windowsはフォーマットを完了できませんでした」などのエラーメッセージが表示され、処理が進まないことはありませんか?

Windowsはフォーマットを完了できませんでした

このようなトラブルは、USBの状態やパソコン側の問題など、複数の原因が考えられます。

本記事では、USBがフォーマットできない原因を解説するとともに、Windows環境でUSBを強制的に初期化する方法を4つ紹介します。USBの不具合でお困りの方は、ぜひ参考にしてください。

なぜUSBがフォーマットできないのか?原因を解説

USBメモリがフォーマットできない主な原因には、以下のようなものがあります。

USBのファイルシステムが破損している(RAW状態など)

物理的な故障や劣化

書き込み保護(ロック)が有効になっている

マルウェアやウイルス感染

Windows側の認識不良やドライバの不具合

原因に応じて対処法が異なるため、まずは状況を正しく把握することが大切です。

強制フォーマットの前に確認すべきこと(注意点)

USBメモリを強制的にフォーマットする前に、以下の重要なポイントを確認しておくことで、不測のトラブルや後悔を防ぐことができます。

1. データが完全に削除されることを理解する

フォーマット処理は、USB内のすべてのデータを削除する操作です。重要なデータがある場合は、可能な限り先にデータ復元ソフトでのバックアップやスキャンを行ってください。

2. 書き込み保護が有効になっていないかチェックする

USBメモリには物理的な「書き込み防止スイッチ」がついているモデルがあります。これがオンになっていると、フォーマットも書き込みもできません。スイッチの有無を確認し、オンになっていればオフに切り替えましょう。

書き込み防止スイッチ

3. ウイルス・マルウェアの感染も原因になる

USBメモリがウイルスに感染していると、通常の操作がブロックされてフォーマットできないケースがあります。特に「Autorun系ウイルス」はフォーマット失敗の原因となることがあります。フォーマットする前、ウイルス対策ソフトでスキャンを実施し、感染の有無を確認してから作業を行ってください。

4. フォーマット形式(ファイルシステム)に注意

USBが「RAW形式」になっている場合、Windowsから正しく認識されず、通常の方法ではフォーマットできません。これはファイルシステムの破損が原因で発生します。この場合はNTFSやFAT32などの形式で再フォーマットを行う必要があります。

WindowsでUSBを強制フォーマットする4つの方法

USBメモリが通常の方法でフォーマットできない場合は、以下の4つの方法を順に試すことで、初期化できる可能性があります。

方法1:エクスプローラーからのフォーマット(まずは基本操作)

USBメモリがPCに正常に認識されている場合は、まずエクスプローラーからのフォーマットを試してみましょう。これはWindowsに標準搭載されている基本機能であり、ドライブとして認識されていれば簡単に実行可能です。

ステップ 1. USBポートにメモリを挿し込み、正常に認識されていることを確認します。

USBポートにメモリを挿し込み

ステップ 2. 「Windowsキー + E」を押してエクスプローラーを開き、「PC」の中に、接続したUSBメモリが表示されます。

ステップ 3. 該当するUSBドライブを右クリックし、「フォーマット」を選択します。

フォーマット

ステップ 4. フォーマット画面が開いたら、以下の項目を設定します。設定が完了したら、「開始」ボタンをクリックします。

項目名 説明
ファイルシステム

通常は「FAT32」または「NTFS」を選びます。

(互換性重視なら「FAT32」、大容量ファイルを使うなら「NTFS」)

アロケーションユニットサイズ 通常は「既定値」で問題ありません
ボリュームラベル USBに付ける名前(任意)
クイックフォーマット 通常はチェックを入れたままでOK。チェックを外すと時間はかかりますが、より完全な初期化になります。

ステップ 5. 数秒〜数十秒で処理が終わり、「フォーマットが完了しました」と表示されれば成功です。

補足:この方法でフォーマットできない場合

以下のようなメッセージが出て、フォーマットに失敗する場合があります:

▸「Windows はフォーマットを完了できませんでした」

▸「ドライブは書き込み禁止になっています」

▸「アクセスが拒否されました」

その場合は、後述の方法2〜4を検討してください。

方法2:ディスクの管理からフォーマット(GUIベースでやや強力)

「ディスクの管理」は、Windowsに標準搭載されているディスク管理ツールです。USBメモリが「エクスプローラーに表示されない」「ファイルシステムが破損している」といった場合でも、ここから操作できることがあります。

ステップ 1. USBポートにメモリを挿し込み、正常に認識されていることを確認します。

ステップ 2. スタートメニューを右クリックして、「ディスクの管理」をクリックします。

ディスクの管理

ステップ 3. 表示されたディスク一覧の中から、USBメモリ(リムーバブルディスク)を見つけます。

注意間違って内蔵HDDなどを選択しないよう、容量・名前を慎重に確認してください。

USBメモリを見つける

ステップ 4. USBにドライブ文字(例:F:)があり、「正常」と表示されている場合は、該当のボリュームを右クリックし、「フォーマット」を選択します。

フォーマット

ステップ 5. ファイルシステムなどの設定を行い、フォーマットを実行します。

設定

ステップ 6. ファイルシステムが破損して「RAW」と表示されている場合は、右クリックして「ボリュームの削除」を選択します。ウィザードの指示に従って削除を終わったら、右クリックして「新しいシンプル ボリューム」を選択します。

「RAW」と表示

ボリュームの削除

新しいシンプル ボリューム

ステップ 7. 黒い帯で「未割り当て」と表示されている場合は、右クリックして「新しいシンプル ボリューム」を選択します。ウィザードの指示に従ってファイルシステムなどの設定を行い、フォーマットを実行します。

未割り当て

この方法でもフォーマットできない場合は、次に紹介する「Diskpartコマンド」による強制初期化や、「専用ツール」の使用を検討してください。

方法3:Diskpartコマンドで完全初期化(最も強力・要注意)

「Diskpart」は、Windowsに標準搭載されているディスク操作用のコマンドラインツールです。GUIでは対応できない場合でも、DiskpartであればUSBメモリのパーティションを強制的に削除・再作成することで初期化できることがあります。

注意操作を誤るとシステムディスクなどを削除してしまう危険性があるため、慎重に実行してください。

ステップ 1. USBポートにメモリを挿し込み、正常に認識されていることを確認します。

ステップ 2. スタートメニューを開き、「コマンドプロンプト」または「cmd」と入力します。「コマンドプロンプト」を右クリックし、「管理者として実行」を選択します。

CMD

ステップ 3. 「diskpart」と入力し、「Enter」キーを押してDiskpartユーティリティを開きます。

ステップ 4. ウィンドウで、以下のコマンドを順番に実行します。

list volume
select volume X(XはUSBメモリのボリューム番号です。)
format fs=fat32 quick
exit

コマンドを順番に実行

方法4:専用ツールを使ってフォーマット(最終手段)

USBメモリがWindowsの標準機能(エクスプローラー、ディスクの管理、Diskpart)では正常にフォーマットできない場合、フリーまたは有料の専用ツールを使うことで解決できる可能性があります。これらのツールは、Windowsの機能では対処しきれないファイルシステムの破損や、書き込み禁止エラー、ドライブ認識不良などにも対応しています。よく使われるUSBフォーマットツールおすすめは以下の通り:

ツール名 特徴 備考
HP USB Disk Storage Format Tool 軽量かつ信頼性が高く、FAT32やNTFSでの再フォーマットが可能 非公式ながら根強い人気
SD Formatter(SD Association公式) SDカードやmicroSD向けだが、一部USBメモリにも使用可能 ファイルシステムの整合性を最適化
PartitionAssistant GUIでわかりやすく、ディスクの管理・フォーマットが簡単 無料版で十分な機能あり
MiniTool Partition Wizard 高機能で、USBメモリの修復にも対応 商用利用には有料版が必要
EaseUS Partition Master シンプル操作で初心者向き 有料データ復元機能も搭載

補足:使用時の注意点

▸ツールは管理者権限で実行する必要があります。通常の起動ではうまく動作しないことがあります。

▸一部のツールでは、ファイルシステムの選択肢が限られている(例:FAT32のみ)ため、用途に応じて選択することが大切です。

▸USBメモリの状態によっては、ツール自体がドライブを認識しない場合もあります。この場合、物理障害の可能性があります。

▸非公式ツールの中には、安全性が保証されないものも存在します。信頼できる提供元からダウンロードすることが重要です。

どうしてもフォーマットできない場合の対処法

Windowsの標準機能や専用ツールを使ってもUSBメモリのフォーマットができない場合、原因はより根深い可能性があります。以下のような状況に応じた対処法をご紹介します。

1. 書き込み保護がかかっている場合

症状:「ディスクは書き込み禁止になっています」「このディスクは保護されているため操作を完了できません」などのエラーが表示されます。

USBメモリ本体に書き込み保護スイッチがある場合、それを「OFF」にするだけで解決です。書き込み保護スイッチがない場合は、Diskpartで属性変更を行います。手順は以下の通り:

ステップ 1. 方法3と同じ手順でDiskpartユーティリティを開きます。

ステップ 2. ウィンドウで、「attributes disk clear readonly」と入力し、Enterキーを押します。

2. デバイス自体が認識されない場合

症状:エクスプローラーや「ディスクの管理」に表示されない、或いは「不明なデバイス」「初期化されていません」と表示されます。

別のUSBポートや他のPCで接続してみるか、PCを再起動してから再接続するか、或いはドライバーを更新または再インストールしてからフォーマットを行います。ドライバー更新手順は以下の通り:

ステップ 1. 「スタート」ボタンを右クリックし、「デバイス マネージャー」を選びます。

ステップ 2. デバイス マネージャーメニューをスクロールし、「ユニバーサル シリアル バス コントローラー」セクションを展開します。更新したいUSBポートドライバを右クリックして、「ドライバーの更新」をクリックします。

ドライバーの更新

3. 物理障害が疑われる場合(寿命・故障)

症状:何をしても認識しない、または途中でフリーズしたり、異音が発生したり、頻繁に接続エラーが起こることがあります。また、書き込みや読み込みが非常に遅いと感じます。

物理障害の場合はソフトでけでは解決できないため、保証期間内であれば交換・返品の対象か確認しましょう。或いは、データ復旧の専門業者に相談します。

強制フォーマット後にデータは復元できるのか?

USBメモリを強制フォーマットした場合、基本的にはデータが完全に消去されるため復元は難しいと考えられがちですが、実際にはフォーマットの種類や上書きの有無によってはデータ復旧が可能なケースもあります。そんなときに役立つのが、信頼性の高いデータ復元ソフトの活用です。

PartitionAssistant for Recoveryは、写真や音声、ビデオ、PPT/PPTX、Word、Excel、PDF、メール、動画など、1000種類以上のファイル形式に対応しており、多様なファイルを高い精度で復元できます。また、内蔵・外付けHDDやSSD、SDカード、USBドライブといった幅広いストレージデバイスにも対応しているため、強制フォーマット後のUSBメモリからもデータ復元を試みることが可能です。さらに、誤削除やごみ箱からの削除、設定ミスなど、さまざまなデータ損失シナリオに対応しているため、強制フォーマット後のトラブルでも安心してご利用いただけます。

PartitionAssistant for Recovery

プロのなWindowsデータ復旧ソフトでさまざまな状況から失われたデータを復元できる

※注意:復元したいデータが上書きされる恐れがあるため、データが失われたドライブに本ソフトウェアをダウンロードしてインストールしないでください!

ステップ1. 場所を選択

USBポートにメモリを挿し込み、正常に認識されていることを確認します。PartitionAssistant for Recoveryをインストールして起動します。データが失われたドライブ(この例ではHドライブ)を選択し、「スキャン」をクリックします。

場所を選択

ステップ2. ファイルを選択

「クイックスキャン」で削除されたデータを迅速に検出し、その後「ディープスキャン」で他の失われたデータを検索します。スキャンが完了すると、削除されたファイルや紛失したファイルが表示されます。

ファイル名やフォルダー名を簡単に入力して、ファイルやフォルダーを検索できます。ファイル名やフォルダー名を検索したり、ファイルサイズ、変更日、ファイルタイプでフィルター処理することもできます。

ファイルを選択

ステップ3. 保存先を選択

「フォルダーの選択」ボタンをクリックして、復元したファイルを保存するパスを選択します。

ファイルの上書きを避けるため、復元されたファイルを元場所と異なるディスクで保存しなければなりませんので注意してください。

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まとめ

USBがエラーでフォーマットできない状況は、ファイルシステムの破損や書き込み保護、デバイスの物理的な故障など、さまざまな原因が考えられます。フォーマットを強制的に行う前には、データのバックアップや書き込み保護の解除、重要な設定の確認といった注意点を必ず押さえておくことが重要です。

この文章で紹介した4つの方法でフォーマットしましょう。それでもフォーマットできない場合には、USBデバイス自体の物理的な問題や接続環境の見直し、専門的な復旧サービスの検討が必要になることもあります。なお、強制フォーマットを実施した後でも、適切な復元ソフトを使用することでファイルを復旧できる場合があります。段階的な対処法を踏まえつつ、適切な手段を選択してトラブルを解決してください。

カオル
カオル · 編集者
カオルはパソコンの基礎知識や、各ソフトに関することなど、幅広く紹介します。わかりやすく、初心者やパソコンに苦手の方でも分かるように工夫をして、IT業界に対しても深い興味を持っています。パーティション管理に関する問題に関心があり、同じ問題に遭遇したユーザーは是非ともブログを参照してください。