パワーポイントを上書き保存してしまった!Windows10で復元する方法

Windows10でパワーポイントを上書き保存してしまった場合でも、バージョン履歴や以前のバージョン、テンポラリファイルの確認で復元できる可能性があります。手動での復元手順や復元ソフトの活用法、さらに上書きを防ぐための効果的な3つの対策まで詳しく解説。

カオル

更新者: カオル / 2025年05月27日

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大切なPowerPointファイルをうっかり上書き保存してしまい、「元の状態に戻せないか」と不安に感じたことはありませんか?プレゼン資料や会議用のスライドを編集する際、うっかり内容を消してしまい、気がついたときには上書き保存されていた、というケースは珍しくありません。

本記事では、Windows10環境で上書きされたパワーポイント(PowerPoint)ファイルを復元する方法について、できる限り具体的にご紹介します。あわせて、復元が難しいケースに備えるための対策や、信頼できる復元ソフトの活用法についても解説します。

パワーポイント

上書き保存したパワポ、復元できるケースとできないケース

PowerPointには自動保存やバージョン管理など、ある程度の復元機能が備わっています。そのため、上書き保存後であっても、状況によっては元のバージョンに戻せる場合があります。

復元が可能なケース
OneDriveやSharePoint上で保存していた場合(バージョン履歴が利用可能)
「自動保存」機能がオンになっていた場合
編集直後で、テンポラリファイル(.tmp)が残っている場合

復元が難しいケース
ローカル保存でバージョン履歴がない
上書き後にPCを再起動し、テンポラリファイルが消えてしまった
自動保存がオフで、一切のバックアップも存在しない

このように、復元の可否はファイルの保存場所や設定、操作のタイミングによって大きく左右されます。

Windows10で試せるパワーポイント復元手順【手動対応編】

以下は、Windows10の機能やPowerPointの設定を利用して手動で復元を試みる方法です。

1. PowerPointの「バージョン履歴」を確認する

PowerPointファイルをOneDriveやSharePointに保存している場合は、自動的にバージョン履歴が記録されており、過去の状態に戻すことが可能です。以下の手順で操作できます。

ステップ 1. PowerPointを起動し、「ファイル」>「開く」>「最近使用したアイテム」を選択し、右下にある「保存されていないプレゼンテーションの回復」をクリックします。

保存されていないプレゼンテーションの回復

ステップ 2. 必要なバージョンを選び、上部の「復元」をクリックして保存します。

復元

2. エクスプローラーの「以前のバージョン」を利用する

Windows10では、「ファイル履歴」や「システムの復元ポイント」が有効になっている場合、上書き前の状態に戻せる「以前のバージョン」機能を利用できる可能性があります。以下の手順で操作をお試しください。

ステップ 1. 「Win+E」を押してファイルエクスプローラーを起動し、削除したファイルが保存されているフォルダーを探します。

ステップ 2. PowerPointフォルダを右クリックし、「以前のバージョンの復元」を選択します。

ステップ 3. 必要なバージョンのPowerPointがあるフォルダを選択し、「復元」をクリックします。

復元ボタン

3. 一時ファイル(テンポラリファイル)を探す

PowerPointでは、ファイル編集中に自動で一時ファイル(テンポラリファイル)が生成されます。このテンポラリファイルには編集中の内容が一部保存されている場合があり、上書きや強制終了後の復元に役立つことがあります。

ステップ 1. Windowsファイルエクスプローラを起動し、「C:/Users/UserName/AppData/Local/Temp/」のパスに移動します。

ステップ 2. ファイルを探し、日付と時刻でソートして検索範囲を絞り込みます。拡張子は.tmpや.pptxです(ただし通常のファイル名とは異なる)。

検索範囲を絞り込み

ステップ 3. 復元したいファイルが見つかったら、それを保存します。

それでも復元できないときは?復元ソフトという選択肢

手動での復元手順をすべて試しても、ファイルが見つからない場合や上書きの影響が大きい場合には、専門のデータ復元ソフトを使うという方法があります。おすすめしたいのが、Partition Assistant for Recoveryです。

このソフトは、PowerPoint(PPT/PPTX)はもちろん、写真、音声、動画、Word、Excel、PDF、メールなど1,000種類以上のファイル形式に対応しており、非常に高い復元精度を誇ります。対応しているメディアも幅広く、内蔵/外付けのHDDやSSD、SDカード、USBメモリなど、さまざまなストレージからの復元が可能です。誤って削除してしまったファイルや、フォーマット・上書き・ごみ箱からの削除・操作ミスなど、多様なトラブルケースにも柔軟に対応しています。

Partition Assistant for Recovery

プロのなWindowsデータ復旧ソフトでさまざまな状況から失われたデータを復元できる

※注意:復元したいデータが上書きされる恐れがあるため、データが失われたドライブに本ソフトウェアをダウンロードしてインストールしないでください!

ステップ1. 場所を選択

Partition Assistant for Recoveryをインストールして起動します。データが失われたドライブ(この例はCドライブ)を選択し、「スキャン」をクリックします。

1

ステップ2. ファイルを選択

「クイックスキャン」で削除されたデータを迅速に検出し、その後「ディープスキャン」で他の失われたデータを検索します。スキャンが完了すると、削除されたファイルや紛失したファイルが表示されます。

ファイル名やフォルダー名を簡単に入力して、ファイルやフォルダーを検索できます。ファイル名やフォルダー名を検索したり、ファイルサイズ、変更日、ファイルタイプでフィルター処理することもできます。

検索する

ステップ3. 保存先を選択

「フォルダーの選択」ボタンをクリックして、復元したファイルを保存するパスを選択します。

ファイルの上書きを避けるため、復元されたファイルを元場所と異なるディスクで保存しなければなりませんので注意してください。

保存先を選択

上書きを防ぐためにできる3つの対策

PowerPointに限らず、重要なデータを誤って上書きしてしまうリスクを減らすために、日頃から心がけておきたい対策を紹介します。

1. 編集前に「名前を付けて保存」で別ファイルを作成する

PowerPointファイルを開いて編集する前に、必ず「名前を付けて保存」して別名のコピーを作成する習慣をつけましょう。こうすることで、元のファイルに変更を加えることなく作業でき、万が一の操作ミスにも備えることができます。

例:プレゼン資料_編集用.pptx や 提案書_20250527.pptx

2. 自動保存機能やクラウド同期を活用する(OneDrive/Google Driveなど)

Microsoft OneDriveやGoogle Driveなどのクラウドストレージを活用すると、自動保存やバージョン履歴の機能が使えるため、誤操作後でも過去の状態に戻すことが可能です。特にOneDriveを利用している場合、PowerPointファイルは自動的に数分おきに保存され、過去バージョンの確認や復元が容易になります。

注意:自動保存機能が有効になっているかを事前に確認しておくことが大切です。

3. バックアップツールや履歴管理ソフトを導入する

より確実に上書きを防ぐには、専用のバックアップツールや履歴管理ソフトを使う方法もあります。指定フォルダーのファイルを自動で定期バックアップしてくれるソフトや、変更のたびに別バージョンを保存してくれるツールを導入することで、手間をかけずに安全性を高めることができます。

補足:Windowsの「ファイル履歴」や「システムの復元」機能も簡易的なバックアップとして活用できます。

まとめ

パワーポイントファイルをうっかり上書き保存してしまっても、Windows 10ではいくつかの方法で復元を試みることが可能です。ただし、すべてのケースで元に戻せるとは限らず、編集回数や保存状況によっては復元が難しいこともあります。そんなときに頼れるのが、データ復元ソフトです。PowerPointファイルはもちろん、さまざまな形式やストレージに対応しており、誤削除や上書きなど幅広いトラブルに対応できます。

今後のデータ損失を防ぐためにも、「名前を付けて保存」やクラウド活用、定期バックアップといった対策を習慣づけておくことが大切です。万一のトラブル時にも慌てず、冷静に対応できるよう、この記事の内容をぜひお役立てください。

カオル
カオル · 編集者
カオルはパソコンの基礎知識や、各ソフトに関することなど、幅広く紹介します。わかりやすく、初心者やパソコンに苦手の方でも分かるように工夫をして、IT業界に対しても深い興味を持っています。パーティション管理に関する問題に関心があり、同じ問題に遭遇したユーザーは是非ともブログを参照してください。