USBメモリをフォーマットする方法|FAT32・exFAT・NTFSの違いも解説

USBメモリをフォーマットする理由や手順、FAT32・exFAT・NTFSといったファイルシステムの違いを丁寧に解説。Windowsユーザー向けに具体的な操作方法や、フォーマット時に気をつけるべきポイント、誤って消したデータの復元可能性についても詳しく紹介します。

カオル

更新者: カオル / 2025年05月30日

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USBメモリを使っていると、「○○を使うにはフォーマットする必要があります。フォーマットしますか?」という表示が出たり、自分で初期化したい場面に出くわすことがあります。しかし、「フォーマットとはそもそも何か」「どの形式を選べばいいのか」については、意外と知られていません。

フォーマット

本記事では、USBメモリのフォーマットについて、基本的な意味から具体的な操作手順、FAT32・exFAT・NTFSといったファイル形式の違いまでを詳しく解説します。Windowsユーザーを対象に、初心者でも安心してフォーマットできるよう、わかりやすくまとめています。

フォーマットとは?USBメモリでの意味と目的

「フォーマット」の基本的な意味

フォーマット(format)」とは、ストレージ(記憶媒体)を使用できるように初期化し、データを書き込むための構造を整える作業を指します。日本語では「初期化」とも言われることがありますが、単にデータを削除するだけでなく、記録領域を整理して“使える状態”にすることがフォーマットの本来の目的です。

たとえば、新しいUSBメモリや外付けハードディスクを初めて使うとき、パソコンがそのままでは認識できない場合があります。このときフォーマットを行うことで、パソコンが読み書きできる形式(ファイルシステム)をストレージに設定し、正常にデータの保存や読み出しができるようになります。

ファイルシステムとは、パソコンやUSBメモリなどの記憶媒体に、データを整理して保存・管理する仕組みのことです。たとえば、どこにどのファイルがあるのか、どんな名前か、どれくらいの容量かなどを記録しておく「ルール」のようなものです。後のセクションで詳しく紹介します。

また、既に使っているUSBメモリでも、ファイルの整理やトラブル解消のためにフォーマットを実行することがあります。このようにフォーマットとは、単なる削除作業ではなく、ストレージを最適な状態に整える“準備工程”として非常に重要な役割を果たしています。

USBメモリにおけるフォーマットの役割

USBメモリをフォーマットすることで、以下のような目的を達成できます。

保存されているすべてのデータを削除してリセットする

利用するパソコンやデバイスに適したファイルシステムを適用する

動作不良やエラーを解消する

また、パソコンと他の機器(ゲーム機、テレビ、カーナビなど)で共用したいときも、適切な形式でフォーマットすることで互換性を高められます。

フォーマットが必要になるケース

USBメモリをフォーマットすべき典型的な状況として、次のようなケースがあります。

「○○を使うにはフォーマットする必要があります。フォーマットしますか?」と表示される
データの整理・消去を一括で行いたい
異なるOS間(WindowsとMacなど)で使用する
形式を変更して大容量ファイルを扱いたい

ただし、フォーマットを実行するとデータは消えてしまうため、実行前には必ずバックアップを取ることが推奨されます。

ファイルシステムの違い:FAT32・exFAT・NTFSとは?

USBメモリをフォーマットする際には、使用する「ファイルシステム」を選ぶ必要があります。ファイルシステムとは、データを記録・管理する方式のことです。USBメモリをフォーマットする際に選ぶ「FAT32」「exFAT」「NTFS」などは、すべてファイルシステムの種類を表しています。この種類によって、保存できるファイルのサイズや対応しているOS(Windows、Macなど)、使い勝手が変わってきます。つまり、ファイルシステムを選ぶことで、そのUSBメモリを「どのように使えるか」が決まるというわけです。

FAT32の特徴と使いどころ

FAT32は最も歴史が古く、幅広い機器に対応しているファイル形式です。

対応機器:Windows、Mac、ゲーム機、カーナビなど

メリット:高い互換性

デメリット:1ファイルあたり4GBまでという制限あり

大容量ファイルを扱わない用途(文書、画像、MP3など)に向いています。

exFATの特徴と使いどころ

exFATは、FAT32の後継として登場した形式で、より大きなファイルを扱える点が特徴です。

対応機器:Windows、Mac(10.6.5以降)、一部テレビやレコーダー

メリット:4GBを超えるファイルの保存が可能、比較的高い互換性

デメリット:一部の古い機器では非対応

動画編集や写真のバックアップなど、大容量データを扱う人におすすめです。

NTFSの特徴と使いどころ

NTFSはWindowsに最適化されたファイルシステムで、セキュリティやアクセス制御など高度な機能も備えています。

対応機器:Windowsに最適、Macでは読み取り専用(標準状態)

メリット:ファイルサイズや容量制限がほぼなし、安定性が高い

デメリット:Macや一部機器との互換性に注意が必要

USBメモリをWindows専用で使用する場合に適しています。

ファイル形式の違いをざっくり把握

形式 最大ファイルサイズ 対応OS・機器 互換性 推奨用途
FAT32 4GB Windows・Mac・他多数 汎用的なファイルの持ち運び
exFAT 実質無制限 Windows・Macほか一部 大容量ファイルの保存
NTFS 実質無制限 Windows中心 Windows専用での使用

USBメモリをフォーマットする手順【Windows編】

USBメモリをWindowsでフォーマットする方法はとてもシンプルです。以下の手順に従えば、初心者の方でもすぐに操作できます。

フォーマットを行うと、USBメモリ内のすべてのデータが消去されます。大切なファイルが入っている場合は、事前にバックアップをとっておきましょう。

ステップ 1. フォーマットしたいUSBメモリをWindowsパソコンに接続します。しばらくすると、自動的に認識され、エクスプローラー上に表示されます。

USBメモリをWindowsパソコンに接続

ステップ 2. 「Windowsキー + E」を押して、エクスプローラーを開きます。左メニューから「PC」を選択し、USBメモリのドライブを見つけましょう。

ステップ 3. 該当ドライブを右クリックして、表示されたメニューから「フォーマット」を選びます。

フォーマット

ステップ 4. 「フォーマット」ウィンドウが開いたら、次のような設定を確認・変更します。

ファイルシステム:FAT32、exFAT、NTFSから選択(用途に応じて)
アロケーションユニットサイズ:通常は「既定値」でOK
ボリュームラベル:任意の名前(例:「USB_2025」など)
クイックフォーマット:通常はチェックを入れてOK(完全消去したい場合はチェックを外す)

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補足:クイックフォーマットと通常フォーマットの違い

クイックフォーマットは表面的な初期化で処理が速いですが、データの痕跡が残る場合があります。完全に消したいときはクイックフォーマットのチェックを外しましょう。

ステップ 5. 設定が完了したら、「開始」ボタンをクリックします。警告が表示されるので、問題なければ「OK」を押して処理を進めてください。数秒〜数分でフォーマットが完了します。

ステップ 6. 「フォーマットが完了しました」と表示されたら、「OK」をクリックして閉じます。これでUSBメモリの初期化は完了です。

フォーマット時の注意点とデータ復元の可能性

USBメモリをフォーマットする際は、いくつかの注意点とリスクを正しく理解しておくことが大切です。特に、データが完全に消えるかどうか、復元の可能性があるかどうかは多くの人が気にするポイントです。

フォーマットはデータ完全消去ではない場合がある...!

USBメモリのフォーマットには「クイックフォーマット」と「通常フォーマット(フルフォーマット)」の2種類があります。

クイックフォーマット:ファイルの存在情報(インデックス)だけを消す形式で、データ本体は上書きされるまでは残っている

通常フォーマット:セクター単位でエラーチェックを行いながら全体を初期化し、データの復旧はより困難になる

一般的に、Windowsの「フォーマット」画面では「クイックフォーマット」がデフォルトで選ばれているため、表面的には消えていても復元ソフトでデータを取り戻せる可能性が残されています。

万が一フォーマットによって大切なデータを失ってしまった場合は、専用の復元ソフトを活用することで、救出できる可能性があります。Partition Assistant for Recoveryは、写真・動画・音声ファイルから、WordやExcel、PDF、メールデータまで、1,000種類以上のファイル形式に対応しており、誤削除やごみ箱からの削除、フォーマット、設定ミス、さらには上書きによる損失など、さまざまなシチュエーションからの復旧が可能です。また、内蔵・外付けのHDD/SSD、USBメモリ、SDカードなど幅広いストレージデバイスに対応しており、Windows 11、10、8、7に加え、Windows Serverの主要バージョンにも対応しています。直感的で操作しやすいインターフェースを採用しているため、専門知識がなくても安心してご利用いただけます。

Partition Assistant for Recovery

プロのなWindowsデータ復旧ソフトでさまざまな状況から失われたデータを復元できる

※注意:復元したいデータが上書きされる恐れがあるため、データが失われたドライブに本ソフトウェアをダウンロードしてインストールしないでください!

ステップ1. 場所を選択

Partition Assistant for Recoveryをインストールして起動します。データが失われたドライブ(この例ではHドライブ)を選択し、「スキャン」をクリックします。

場所を選択

ステップ2. ファイルを選択

「クイックスキャン」で削除されたデータを迅速に検出し、その後「ディープスキャン」で他の失われたデータを検索します。スキャンが完了すると、削除されたファイルや紛失したファイルが表示されます。

ファイル名やフォルダー名を簡単に入力して、ファイルやフォルダーを検索できます。ファイル名やフォルダー名を検索したり、ファイルサイズ、変更日、ファイルタイプでフィルター処理することもできます。

ファイルを選択

ステップ3. 保存先を選択

「フォルダーの選択」ボタンをクリックして、復元したファイルを保存するパスを選択します。

ファイルの上書きを避けるため、復元されたファイルを元場所と異なるディスクで保存しなければなりませんので注意してください。

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まとめ

USBメモリのフォーマットは、不要なデータの初期化やファイルシステムの変更、トラブル解消など、さまざまな場面で役立つ基本操作です。本記事では、フォーマットの基本的な意味やUSBメモリにおける役割に加えて、FAT32・exFAT・NTFSといったファイルシステムの違いや使い分けについても詳しく解説しました。さらに、Windowsでの具体的なフォーマット手順や、実行時の注意点、万が一データを失った際の復旧の可能性についても触れています。これらの知識をもとに、用途やデバイス環境に合わせた最適なフォーマット方法を選ぶことで、USBメモリをより安全かつ効率的に活用できるようになるでしょう。

カオル
カオル · 編集者
カオルはパソコンの基礎知識や、各ソフトに関することなど、幅広く紹介します。わかりやすく、初心者やパソコンに苦手の方でも分かるように工夫をして、IT業界に対しても深い興味を持っています。パーティション管理に関する問題に関心があり、同じ問題に遭遇したユーザーは是非ともブログを参照してください。