【初心者向け】PCで削除したファイルを復元する方法|ごみ箱・ソフト・裏技まで
PCで削除したファイルは本当に消えた?ごみ箱からの復元方法やソフトなしの裏技まで初心者向けにわかりやすく解説します。
パソコンで作業をしている際に、うっかり大切なファイルを削除してしまった経験はありませんか?
「ごみ箱にも見当たらない」「どうすれば元に戻せるのか分からない」といった状況は、多くの方が一度は経験するものです。
本記事では、初心者の方でも安心して実践できる削除したファイルの復元方法について、順を追ってわかりやすく解説します。ごみ箱からの復元手順はもちろん、ごみ箱にない場合の対処法や裏技的な方法まで幅広くご紹介します。
削除したファイルは本当に消えたのか?
パソコンでファイルを削除した場合、そのファイルはただちに完全に消えるわけではありません。削除の方法によっては、データ自体がパソコン内に残っている可能性があるのです。ここでは、ファイル削除の基本的な仕組みをわかりやすく解説します。
●ごみ箱に移動されるだけの場合
Windowsでは、通常の「Delete」キーによる削除操作を行うと、ファイルは完全には消えず、「ごみ箱」に移動されます。この時点では、ファイルはまだパソコン上に存在しており、ごみ箱から「元に戻す」操作を行えば簡単に復元できます。
●ごみ箱にもない=完全削除ではない?
Shiftキーを押しながらDeleteキーを使った場合や、大容量ファイルなどはごみ箱を経由せずに削除されることがあります。こういったケースでは、ユーザーからは見えなくなっていても、実際のデータはまだハードディスク上に残っていることがあります。
これは、ファイルを削除するときに「ファイルそのもの」を物理的に消しているのではなく、「この場所は空いている」というマークを付けているだけのためです。そのため、新しいデータで上書きされる前であれば、専門のソフトを使って復元できる可能性があります。
●SSDでは注意が必要(Trim機能の影響)
近年主流となっているSSD(ソリッドステートドライブ)には「Trim」という機能があり、削除後すぐに空き領域を初期化してしまうことがあります。この場合、HDD(ハードディスクドライブ)と比べてデータ復元の難易度が高くなるため、注意が必要です。
ただし、すべてのSSDがすぐにデータを消去するわけではなく、使用環境や設定によっては復元できることもあります。
ごみ箱からの復元方法(最も基本的な手順)
最も簡単に試せる方法は、ごみ箱からの復元です。
ステップ 1. デスクトップ上の「ごみ箱」アイコンを開きます。
ステップ 2. 「ごみ箱の検索」を利用して、復元したいファイルを探して右クリックします。
ステップ 3. 「元に戻す」を選択すれば、元の保存場所にファイルが戻ります。
ごみ箱にないときの復元方法3選
①バックアップ機能の活用
Windowsには「ファイル履歴」といったバックアップ機能があります。定期的にバックアップを設定していれば、簡単に過去の状態からファイルを復元することが可能です。
ステップ 1. 検索バーに「コントロールパネル」と入力し、「システムとセキュリティ」をクリックして「ファイル履歴」を選びます。
ステップ 2. 「ファイルの履歴」タブで「個人用ファイルの復元」を選択します。
ステップ 3. 左矢印をクリックして削除されたファイルを探し、元の場所に復元アイコンをクリックしてゴミ箱からファイルを復元します。
②Windows File Recoveryの利用
Windows 10以降では、Microsoft公式の無料ツール「Windows File Recovery」が利用できます。コマンドプロンプトを使った操作になりますが、無料で高度な復元が可能です。
ステップ 1. Microsoft StoreからWindows File Recoveryをダウンロードし、管理者として実行します。
ステップ 2. コマンド「winfr source-drive:destination-drive:[/mode][/switches]」を入力し、「y」と入力して復元を続けます。
ステップ 3. 数分後、ファイルが指定した場所に復元されます。
③データ復元ソフトの利用
ごみ箱やバックアップ機能で復元できなかった場合は、専用のデータ復元ソフトの利用がおすすめです。市販されているソフトは使いやすいものも多く、初心者でも直感的に操作できる設計がされています。特に、Partition Assistant for Recoveryは、以下の点で多くのユーザーから支持されています:
- ✎Partition Assistant for Recoveryをおすすめする理由:
- 写真、音声、ビデオ、PPT/PPTX、Word、Excel、PDF、メール、動画など1000以上のファイルタイプをサポートします。
- 内蔵・外付けHDD/SSD、SDカード、USBドライブなど、様々なストレージデバイスに対応します。
- 誤削除、ごみ箱の削除、フォーマット、上書き、設定ミスなどのデータ損失のシナリオから復元できます。
- 直感的で使いやすいUIを提供しています。
- Windows 7、8、10、11のすべてのバージョンに対応しています。
ステップ1. 場所を選択
Partition Assistant for Recoveryをインストールして起動します。データが失われたドライブ(この例ではDドライブ)を選択し、「スキャン」をクリックします。
ステップ2. ファイルを選択
「クイックスキャン」で削除されたデータを迅速に検出し、その後「ディープスキャン」で他の失われたデータを検索します。スキャンが完了すると、削除されたファイルや紛失したファイルが表示されます。
ステップ3. 保存先を選択
「フォルダーの選択」ボタンをクリックして、復元したファイルを保存するパスを選択します。
裏技:ソフトなしでも試せる方法
データ復元ソフトを使わずにファイルを復元したい場合、いくつかの裏技的な方法があります。これらは少しテクニカルな部分もありますが、順を追って落ち着いて操作すれば実践可能です。
①コマンドプロンプトで隠しファイル・システムファイルを表示
ファイルが見えなくなっているだけの場合、隠し属性がついていることがあります。以下の手順で隠しファイルを表示して確認してみましょう。
ステップ 1. 「Win+R」キーを押して「ファイル名を指定して実行」を開きます。
ステップ 2. 次に「CMD」と入力し、「Ctrl+Shift+Enter」を押して管理者としてコマンドプロンプトを起動します。
ステップ 3. 「attrib -h -r -s /s /d F:*.*」と入力して「Enter」を押します(「F」を正しいドライブ文字に置き換えてください)。
②クラウドストレージの同期フォルダを確認
OneDriveやGoogle Drive、Dropboxなどのクラウドサービスを利用している場合、ファイルが自動的にクラウドにバックアップされている可能性があります。削除したと思ったファイルが、実はクラウド上に残っていることもあります。
ステップ 1. クラウドのウェブサイトにログインし、「ごみ箱」や「復元」機能を探します。
ステップ2. 同期フォルダのローカルコピーとクラウド上の状態が異なっていないかチェックしましょう。
③ 別ユーザーアカウントや別ドライブを探す
誤って別のユーザーアカウントのフォルダや、外付けハードディスク、USBメモリなどに移動してしまうケースもあります。
ステップ 1. 他のユーザーアカウントでログインし、該当ファイルがないか探します。
ステップ 2. 外付けドライブやUSBメモリを接続し、ファイル検索機能でファイル名や拡張子で検索します。
復元時の注意点とNG行動
ファイルを復元する際には、いくつかの重要な注意点があります。誤った操作をしてしまうと、データの復元が困難になることがあるため、以下のポイントをしっかり押さえておきましょう。
☑復元したいドライブへの書き込みを避ける
削除したファイルが記録されていたドライブ(HDDやSSD)に、新しいデータを書き込むことは非常に危険です。上書きによって元のデータが消えてしまい、復元できなくなる可能性が高まります。
具体的には、復元作業を始める前に、そのドライブでの新しいファイルの保存やプログラムのインストールは控えましょう。可能であれば、復元ソフトは別のドライブ(例:別のHDD)にインストールし、作業を行うことが理想的です。
☑複数回の復元操作を繰り返さない
復元作業を何度も繰り返すことで、データの断片化やさらなる上書きのリスクが高まります。1回の復元で得られた結果をよく確認してから、次の作業に進みましょう。複数の復元ソフトを使い分ける場合でも、一つずつ丁寧に作業を行うことが大切です。
☑不安な場合は早めに専門業者に相談する
自力での復元が難しい、あるいは重要なデータの場合は、無理に操作を続けるよりも、専門のデータ復旧業者に相談するのも一つの選択肢です。専門業者は高度な技術や設備を持っているため、復元成功率が高いです。料金はかかりますが、大切なデータを確実に取り戻したい場合には検討する価値があります。
まとめ
削除したファイルは見た目ほど簡単に消えてしまうわけではありません。まずはごみ箱の確認から始め、見つからない場合はバックアップ機能やWindows File Recovery、専用の復元ソフトを利用するのがおすすめです。また、ソフトを使わずに隠しファイルの表示やクラウド同期の確認といった裏技的な方法も試してみましょう。復元作業は焦らず、復元対象のドライブに上書きしないよう注意することが大切です。これらのポイントを押さえれば、初心者の方でも大切なデータを取り戻せる可能性が高まります。