フォーマットされたハード ドライブのデータを回復する方法【完全ガイド】

フォーマットしてしまったハードドライブのデータを取り戻す方法を徹底解説。初心者でもわかる復元手順と予防策を紹介します。

カオル

更新者: カオル / 2025年04月21日

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大切なデータが入っていたハードドライブを間違ってフォーマットしてしまった経験、ありませんか?

画像や文書、仕事のデータなど、大事な情報を失ったときは、焦りや落ち込みを感じることでしょう。しかし、慌てることはありません。フォーマットされたハードドライブからは、意外にもデータが回復できる可能性があるのです。

この記事では、フォーマットされたハードドライブからデータを回復する方法を、初心者でもわかりやすく解説します。データ復旧ソフトの使い方から、専門業者への依頼方法まで、完全ガイドとしてお届けしますので、安心して読み進めてください。

データ回復

フォーマットとは?(基本的な理解)

フォーマットは、コンピューターのストレージデバイス(ハードドライブやSSD、USBメモリなど)に新たなファイルシステムを設定する作業を指します。この操作を行うことで、ストレージの領域が「初期化」され、新しいデータを保存できる状態になります。簡単に言えば、フォーマットはドライブを「新しく生まれ変わらせる」ようなものです。

フォーマット

フォーマットの目的と役割

ストレージデバイスをフォーマットする主な目的は、以下の2つです:

ファイルシステムの再設定:

コンピューターは、データを格納するために「ファイルシステム」という仕組みを使っています。例えば、WindowsではNTFS(New Technology File System)やFAT32(File Allocation Table)などが一般的です。フォーマットを行うことで、ストレージに適切なファイルシステムを設定し、データを整理・管理できるようにします。

不良データの削除とストレージの再構成:

長期間使用しているドライブでは、古いデータや破損したファイルが残ることがあります。フォーマットを行うことで、これらの不要なデータを完全に削除し、新しいファイルシステムのもとで効率よくデータを管理できるようにします。

フォーマットの種類

フォーマットには、大きく分けて2種類の方法があります。それぞれの特徴を見てみましょう。

クイックフォーマット:

クイックフォーマットは、データの内容を「論理的に削除」する方法です。この方法では、ドライブのファイルシステムを再設定しますが、データ自体は完全には消去されません。つまり、データは残っている可能性があり、専用のデータ回復ソフトを使えば回復できることが多いです。しかし、時間が短く、手軽に行えるため、一般的に利用されています。

フルフォーマット:

フルフォーマットは、クイックフォーマットに加えて、ドライブ内のすべてのデータを「物理的に消去」します。通常、フルフォーマットを行うと、データは完全に削除されるため、データ回復が難しくなります。長時間かかるため、通常はドライブに不具合がある場合や、使用を終了する場合に行われます。

フォーマット後のデータはどうなる?

フォーマットを実行した後、実際に何が起きるのでしょうか? フォーマットは、データを完全に消去するわけではなく、次のようなことが起こります:

データの「見えない化」:

フォーマット後、データは目に見えなくなります。つまり、ファイルはドライブから消えたように見えますが、物理的にはその場所に残っていることが多いです。このため、データ回復ツールを使えば、フォーマット前のデータを回復できる可能性があります。

新しいデータの上書きが可能に:

フォーマット後、ドライブに新しいデータが書き込めるようになります。新しいデータが書き込まれることで、以前のデータが上書きされることがあり、その場合は回復が難しくなります。

フォーマット後のデータ回復が可能な理由

フォーマット後にデータを回復できる理由は、データが物理的に消去されるのではなく、アクセスできない状態にされるだけだからです。フォーマットによって、ファイルシステムが再構成されますが、元々保存されていたデータのブロックが「削除された」というフラグが立つだけです。データそのものは上書きされていないため、回復ツールでスキャンを行うと、元のデータを取り出すことができます。

しかし、時間が経つにつれて、新しいデータが上書きされる可能性が高くなるため、フォーマット直後にデータ回復を試みる方が成功率が高いと言えます。

フォーマットされたハードドライブのデータ回復方法

ここでは、フォーマットされたハードドライブのデータを回復する3つの方法を詳しく紹介します。

方法1:専門のデータ回復ソフトを使用する(おすすめ)

バックアップを取らずにフォーマットされたハードドライブからデータを復元する最も手軽で効果的な方法は、専門のデータ回復ソフトを使うことです。市販されている多くのツールは、高度なスキャン技術を搭載しており、フォーマット後でも失われたファイルを検出・復元できる可能性があります。中でもおすすめなのが、Partition Assistant for Recoveryです。このソフトは、以下のような特長を備えています:

✔ 写真、音声、ビデオ、PPT/PPTX、Word、Excel、PDF、メール、動画など1000以上のファイルタイプをサポートします。
内蔵・外付けHDD/SSD、SDカード、USBドライブなど、様々なストレージデバイスに対応します。
ストレージデバイスのクイックスキャンとディープスキャンをサポートします。スキャン中にファイルの検索、フィルタリング、プレビュー、復元が可能です。
直感的で使いやすいUIを提供しています。
Windows 7、8、10、11のバージョンに対応しています。

それでは、Partition Assistant for Recoveryを使ってフォーマットされたHDDからデータを復元する方法を見てみましょう:

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ステップ1. 場所を選択

Partition Assistant for Recoveryをインストールして起動します。データが失われたドライブ(この例ではDドライブ)を選択し、「スキャン」をクリックします。

場所を選択

ステップ2. ファイルを選択

「クイックスキャン」で削除されたデータを迅速に検出し、その後「ディープスキャン」で他の失われたデータを検索します。スキャンが完了すると、削除されたファイルや紛失したファイルが表示されます。

ファイル名やフォルダー名を簡単に入力して、ファイルやフォルダーを検索できます。ファイル名やフォルダー名を検索したり、ファイルサイズ、変更日、ファイルタイプでフィルター処理することもできます。

ファイルを選択

ステップ3. 保存先を選択

「フォルダーの選択」ボタンをクリックして、復元したファイルを保存するパスを選択します。

ファイルの上書きを避けるため、復元されたファイルを元場所と異なるディスクで保存しなければなりませんので注意してください。

保存先を選択

方法2:コマンドプロンプトやディスク管理ツールを使用する(上級者向け)

データ回復ソフトに頼らず、自力でシステムのツールを使って復元作業を行う方法もあります。ただし、この方法はパソコン操作にある程度詳しい方、またはコマンド入力に慣れている方向けの手順となります。慎重に作業を行ってください。

ヒントchkdskはデータを回復するツールではありませんが、ファイルシステムの修復によって「消えたように見えた」ファイルが再び表示されることがあります。

ステップ 1. 捜索ボタンで「cmd」と入力します。「コマンドプロンプト」が表示されたら、「管理者として実行」を選択してください。

cmd

ステップ 2. 次のコマンドを入力し、エンターキーを押して実行します。

chkdsk X: /f(「X」部分は回復したいドライブのドライブ文字に置き換えてください)

1

ステップ 3. 理が完了したら、ドライブを開いてファイルが表示されるか確認してください。

方法3:専門業者に依頼する(物理破損などの場合)

フォーマットされたハードドライブのデータをどうしても取り戻したい場合や、ソフトでは対応できないような重度の障害(物理破損・異音・水没など)がある場合は、無理をせずに専門のデータ復旧業者に依頼することをおすすめいたします。

ヒントデータ復旧の専門業者は、クリーンルームと呼ばれる特殊な環境でハードウェアを開封・診断し、ハードディスク内部のプラッタや制御基板などから直接データを読み取る技術を持っています。一般のソフトやユーザーでは手が届かないようなケースにも対応できるのが大きな強みです。

専門業者に依頼する手順(一般的な流れ)は以下です。

ステップ 1. 業者のWebサイトや電話で相談・問い合わせを行います。多くの業者は、無料相談やオンライン診断フォームを用意しています。

ステップ 2. 対象のハードドライブを業者に送付します。梱包はしっかり行い、衝撃対策を忘れずに行ってください。

ステップ 3. 初期診断(無料or有料)が行われ、復旧の可能性・費用が提示されます。

ステップ 4. 見積りに同意すれば、実際のデータ復旧作業が進められます。

ステップ 5. 復旧が成功した場合、指定メディア(外付けHDDやUSBメモリなど)にデータを保存して返送してくれます。

データ回復を成功させるためのポイント

ハードドライブをフォーマットしてしまったあとでも、正しい手順と注意点を守れば、高い確率でデータを回復できる可能性があります。以下のポイントを事前に理解・実践することで、データ復旧の成功率をより高めることができます。

✅ ポイント1:新しいデータの書き込みを避ける

最も重要なのは、フォーマットされたドライブに新しいデータを書き込まないことです。フォーマット直後のドライブは、「データが消えたように見えているだけ」で、実際には多くのデータが内部に残っています。しかし、そこに新しいファイルを保存してしまうと、古いデータの上に上書きされてしまい、復元が困難になる場合があります。

✅ ポイント2:回復作業は別のパソコンまたは別ドライブで行う

データ回復ソフトを使用する際には、対象のドライブとは別の場所にソフトをインストールし、復元データの保存先も別ドライブにすることが重要です。たとえば、誤ってフォーマットしたのがDドライブなら、データ回復ソフトはCドライブにインストールし、復元したファイルはUSBメモリなど別のメディアに保存することにします。誤って同じドライブに復元してしまうと、上書きのリスクが高くなります。

✅ ポイント3:自己判断が難しい場合は、早めに専門業者に相談を

異音がする、HDDが回転しない、ドライブがまったく認識されない――このような症状がある場合は、無理に操作を続けると状況が悪化する可能性があります。

  • ハードウェアの故障の疑いがある
  • ファイルシステムがRAW状態になっている
  • 落下や水濡れなどの物理損傷があった

このようなときは、早い段階で専門の復旧業者に相談することが、結果的に費用・時間・復元率の面ですべてプラスに働きます。

フォーマットを避けるための予防策

ハードドライブを誤ってフォーマットしてしまうと、大切なデータを失ってしまうリスクがあります。そのようなトラブルを防ぐために、日頃からできる予防策を講じておくことがとても重要です。以下のポイントを意識しておくことで、予期せぬフォーマット操作を回避できます。

✅ ポイント1:大事なデータは定期的にバックアップする

最も基本的かつ重要な対策は、バックアップの習慣を持つことです。

  • 外付けHDDやSSDにバックアップする
  • クラウドストレージ(Google Drive、OneDriveなど)を活用する
  • Windowsの「ファイル履歴」や「システムの復元」を有効にする

「週に1回」や「毎月1日」など、具体的なスケジュールを決めると継続しやすくなります。

✅ ポイント2:ドライブのフォーマット時は二重確認を徹底する

「ドライブを初期化しますか?」という表示が出た際に、うっかり「はい」や「OK」を押してしまう操作ミスは多くの方が経験しています。

  • フォーマット画面が表示されたら、まずドライブ名と容量を確認する
  • 「本当にこのドライブで間違いないか」一呼吸おく習慣をつける
  • 不安な場合は、スクリーンショットを取って他人に確認する

特に複数のストレージ機器を接続している方は、誤認しやすいので要注意です。

✅ ポイント3:不要なストレージは常時接続しない

USBメモリや外付けHDD・SSDなど、使用していないストレージをPCに差しっぱなしにしていると、誤操作の原因になります。

  • 使わないときは安全に取り外す
  • フォーマットなどの操作中は、必要なストレージ以外を外しておく
  • ドライブ名に「重要」「バックアップ用」などのラベルを付けて識別しやすくする

Windowsの「ディスクの管理」でドライブレターを分かりやすく設定しておくのも有効です。

まとめ

フォーマットされたハードドライブでも、正しい方法を選べばデータを回復できる可能性は十分にあります。本記事で紹介したように、信頼できるデータ回復ソフトの利用や、状況に応じた対応が大切です。また、予防策を知っておくことで、今後のデータ損失も防げます。焦らず慎重に対応し、大切なデータを守りましょう。

カオル
カオル · 編集者
カオルはパソコンの基礎知識や、各ソフトに関することなど、幅広く紹介します。わかりやすく、初心者やパソコンに苦手の方でも分かるように工夫をして、IT業界に対しても深い興味を持っています。パーティション管理に関する問題に関心があり、同じ問題に遭遇したユーザーは是非ともブログを参照してください。