SDカードで消したデータを安全に復元する方法を初心者向けに解説。復元できる理由や成功率を上げるポイントも紹介します。
大切な写真や動画、仕事のファイルが入ったSDカード。うっかりデータを消してしまった瞬間、パニックになる方は少なくありません。
実は、消してしまったデータは「完全に失われたわけではない」ことをご存知でしょうか?正しい方法で対処すれば、多くの場合、重要なデータを取り戻せる可能性があります。
本記事では、実践できるSDカードの消したデータ復元のポイントと具体的な手順をわかりやすく解説します。
SDカードからファイルを削除したとき、「完全に消えてしまった」と思いがちですが、実はデータそのものはしばらくの間、SDカード内に残っていることが多いのです。
通常、削除やフォーマットを行った際に消えるのは、「この場所にデータがありますよ」という管理情報(インデックス)だけです。中身のデータ本体はまだSDカード上に残っていて、上書きされない限り、復元ソフトで読み取れる可能性があります。
この仕組みを理解しておくことが重要です!たとえば、削除直後に新たな写真や動画を保存すると、元のデータの上に新しいデータが書き込まれ、復元が難しくなってしまうのです。つまり、「削除した直後であればあるほど復元の可能性は高い」ということ。慌てて何か操作をする前に、まずはSDカードの使用を中止し、復元ソフトの使用を検討しましょう。
SDカードから消えたデータを復元しようとするとき、ちょっとした行動が致命的なミスにつながることがあります。以下のようなNG行動は、復元の成功率を大きく下げる原因になるため、絶対に避けましょう。
■NG行動①:削除後に新しいデータを書き込む:データを削除した後に写真や動画を追加してしまうと、元のデータの上に新しいデータが上書きされてしまう可能性があります。これが起こると、元のデータはほぼ完全に復元不可能になります。
■NG行動②:フォーマットを何度も繰り返す:「フォーマットすれば直るかも…」と何度も初期化するのは逆効果。データの構造が崩れ、復元ソフトでも読み取れなくなる恐れがあります。
■NG行動③:信頼性の低い復元ソフトを使う:無料ツールには、誤ってさらにデータを壊すリスクがあるものも存在します。復元前に口コミや実績を確認し、信頼できるソフトを使うことが大切です。
■NG行動④:慌てて何度も抜き差し・再起動をする:SDカードを抜き差ししたり、カメラやPCを再起動したりすると、デバイス側でさらにデータを上書きする動作が起きることも。落ち着いて、まずはSDカードの使用を中止してください。
注意:このようなNG行動を避けるだけでも、復元の成功率は大きく変わります。削除に気づいたらまずやるべきは、「操作を止めて、正しい手順を確認する」ことです。
消してしまったSDカードのデータを復元するには、専門の復元ソフトを利用することが効果的です。操作が簡単で、初心者の方でも安心して使えるソフトを選ぶことが大切です。Partition Assistant for Recoveryは、シンプルな画面設計で誰でも手軽に使え、誤って削除したファイルはもちろん、フォーマット後のデータも高い確率で検出できます。写真や動画、書類など幅広いファイル形式に対応しているため、さまざまなデータを復元可能です。さらに、データの安全性を第一に考え、SDカードの内容に上書きせず読み取りだけを行う設計となっているため、復元作業中のリスクを最小限に抑えられます。
注意:パソコンにSDカードスロットがある場合は、カードの切り欠き部分に注意しながらゆっくりと差し込みます。パソコンにSDカードスロットがない場合は、USB接続の外付けカードリーダーを使用します。
ステップ1. 場所を選択
Partition Assistant for Recoveryをインストールして起動します。データが失われたドライブ(この例ではHドライブ)を選択し、「スキャン」をクリックします。
ステップ2. ファイルを選択
「クイックスキャン」で削除されたデータを迅速に検出し、その後「ディープスキャン」で他の失われたデータを検索します。スキャンが完了すると、削除されたファイルや紛失したファイルが表示されます。
ステップ3. 保存先を選択
「フォルダーの選択」ボタンをクリックして、復元したファイルを保存するパスを選択します。
SDカードの消したデータは、状況によって復元できる場合とできない場合があります。ここでは、それぞれのケースについて詳しく説明します。
✔復元可能なケース | |
▸誤って削除した場合 | ファイルを誤って削除した場合、データの実体はSDカードに残っています。まだ新しいデータが上書きされていなければ、復元ソフトでデータを取り戻せる可能性が高いです。 |
▸フォーマット直後の場合 | SDカードを誤ってフォーマットしてしまった場合でも、すぐに使用を停止すればデータの多くを復元できる可能性があります。フォーマットはファイルシステムの情報を書き換えるだけで、データ自体は完全には消えていないためです。 |
▸ファイルシステムの破損や不具合の場合 | SDカードのファイルシステムが壊れてアクセスできなくなった場合でも、専用の復元ソフトがデータを検出し復旧できるケースがあります。 |
✖復元が難しい・不可能なケース | |
▸データの上書きが複数回発生した場合 | 複数回新しいデータを書き込むと、削除されたデータの保存領域が上書きされ、元のデータが消えてしまいます。この場合、復元は非常に難しくなります。 |
▸物理的な故障がある場合 | SDカード自体が物理的に壊れている(読み取りエラー、基板の損傷など)場合は、一般的な復元ソフトでは対応できません。こうした場合は専門業者による修復が必要になることが多いです。 |
▸長期間使用し続けた場合 | 時間が経過すると、SDカード内の空き領域が新しいデータで埋まりやすくなり、復元の成功率が下がります。復元不可能ではありませんが、データ消失に気づいたら早急な対応が重要です。 |
SDカードのデータ復元がうまくいかない場合、原因や状況に応じて適切な対処を行うことが重要です。以下に具体的な方法をご紹介します。
●データ復元ソフトで復元できない場合
復元ソフトでスキャンしても目的のデータが見つからない、または復元に失敗することがあります。この場合、ディープスキャン機能があるため、これを試すことで検出率が上がる場合があります。また、新しいデータを書き込むすぎて、復元できない場合もあります。
●物理的にSDカードが故障している場合
カード自体に物理的なダメージがあると、パソコンが認識しなかったり、復元ソフトが正常に読み込めなかったりします。物理障害の場合は、専用の設備や技術を持つ業者に依頼するのが最も確実です。専門のデータ復旧業者に相談しましょう。
●上書きや長期間放置による復元困難な場合
新しいデータを書き込むことで元のデータが上書きされ、復元が困難になります。また、長期間経過するとSDカード内の空き領域が更新され、データが消えてしまうこともあります。復元が難しいケースに備え、日頃から定期的にバックアップを取ることを強くおすすめします。
SDカードの消したデータを確実に復元するためには、いくつかの重要なポイントと日頃からの予防策を理解しておくことが大切です。以下に詳しくご紹介します。
☑1. データ消失に気づいたらすぐに使用をやめる
データを誤って削除したり、誤フォーマットに気づいたら、まずはSDカードの使用を直ちに停止してください。新たなデータを書き込むと、削除したデータの上書きが進み、復元が非常に難しくなります。特に写真や動画を撮り続けると上書きリスクが高まるため、注意が必要です。
☑2. フォーマットやデータ削除は慎重に行う
誤操作によるデータ消失を防ぐために、フォーマットやデータ削除は確実に必要なものだけを行い、操作前にバックアップを取る習慣をつけてください。
☑3. 定期的なバックアップを習慣にする
復元作業はあくまでトラブル後の対処法であり、100%成功する保証はありません。重要なデータは普段からパソコンやクラウドストレージ、外付けハードディスクなどに定期的にバックアップを取ることが最も効果的な予防策です。
☑4. SDカードの取り扱いに注意する
誤操作によるデータ消失を防ぐために、フォーマットやデータ削除は確実に必要なものだけを行い、操作前にバックアップを取る習慣をつけてください。
SDカードの消したデータは、ファイルシステムの仕組みから完全に消えたわけではなく、多くの場合復元が可能です。ただし、データの上書きや物理的な故障があると復元は難しくなるため、使用を停止して早めに対処することが大切です。本記事で紹介した復元方法や対処法を参考に、適切な復旧手順を踏めば初心者でも安全にデータを取り戻せます。さらに、普段からのバックアップやSDカードの正しい取り扱いで、トラブルを未然に防ぐことが最も効果的です。