パソコンの動作が遅い原因と改善方法「Windows10/11対応」
Windows 11/10を使っていると、「パソコンの動作が重い」「起動が遅い」「アプリがなかなか開かない」と感じることはありませんか?パソコンの動作が遅くなる原因は、ストレージの容量不足や不要な常駐アプリ、システムエラー、ハードディスクの劣化などさまざまです。この記事では、パソコンの動作が遅くなる主な原因と、すぐにできる改善・対処法をわかりやすく紹介します。
パソコンを起動したとき、デスクトップが表示されるまで時間がかかったり、クリックしても反応が鈍い──そんな経験は誰にでもあります。Windows10やWindows11では便利な機能が増えたけど、その分バックグラウンドでたくさんのプロセスが動いていて、知らないうちに動作が重くなってしまうことがあります。
では、なぜパソコンは遅くなるのか?そして、どのように改善すればいいのか?本記事では、原因別にわかりやすく解説し、すぐ実践できる改善策を紹介します。
Windows10・Windows11で多い「動作遅い」症状
パソコンの動作が遅くなるといっても、症状は人それぞれです。
- 起動が遅い:電源を入れてからデスクトップが表示されるまで数分かかる
- アプリの起動が遅い:Excelやブラウザを開くと固まるように感じる
- マウス・キーボードの反応が鈍い:操作しても一瞬ラグが発生
- 全体的に重い:動作がもっさりしていて快適さがない
これらはすべて、パソコン内部の「リソース(メモリ・CPU・ストレージ)」が圧迫されているサインです。原因を一つずつ特定することが、改善への第一歩です。
パソコンが遅くなる主な原因
パソコンが遅くなる原因は、メモリ・ストレージ(HDD/SSD)の容量不足、CPU負荷の増加、不要なアプリやスタートアップアプリの多用、ウイルス感染、ハードウェアの物理的な劣化や故障、排熱不足、そしてインターネット回線速度の低下など多岐にわたります。これらの原因を特定し、適切な対処法を適用することでパソコンの動作速度を改善できます。
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メモリ(RAM)容量の不足:多くのアプリを同時に開くとメモリが不足し、動作が遅くなります。
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ストレージ(HDD/SSD)の空き容量不足:記憶媒体の容量が少なくなると、データの保存やアプリの動作に影響が出ます。
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ハードディスクの劣化や故障:長期間の使用や物理的な問題により、ハードディスクの動作が遅くなったり、故障したりすることがあります。
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CPU負荷の増加:一度に多くの処理を要求したり、CPUに負荷のかかるアプリを使用したりすると、動作が重くなります。
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起動中の不要なアプリ:使用しないアプリがバックグラウンドで起動していると、メモリやCPUを消費します。
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スタートアップアプリの多さ:パソコンの起動時に自動で実行されるアプリが多いと、起動が遅くなり、動作も重くなります。
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ウイルス感染:悪意のあるソフトウェアに感染すると、パソコンの資源が不正に消費され、動作が著しく低下します。
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不要なファイルやキャッシュの蓄積:不要なファイルや一時的なデータが溜まると、ストレージの空き容量を圧迫し、動作を遅くする原因となります。
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ホコリの蓄積と排熱不足:パソコン内部にホコリが溜まると排熱が阻害され、内部温度が上昇して性能が低下します。
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インターネット回線速度の低下:Webブラウザやオンラインサービスでの動作が遅い場合、パソコン自体ではなくインターネット回線の問題である可能性があります。
Windows 10/11でパソコンの動作を改善する方法
Windows 10/11でPCの動作を改善するには、再起動する、不要なアプリやファイルを削除してストレージの空きを増やす、Windows Updateやドライバーを最新に保つ、スタートアッププログラムやバックグラウンドアプリを無効にする、視覚効果を減らす、電源プランを最適化する、ウイルス・マルウェアスキャンを実行する、といった方法があります。さらに、メモリ増設やSSD換装などのハードウェアのアップグレード、最終手段としてOSのクリーンインストールも有効です。
👉パート1. ソフトウェアによる改善策
方法1. PCの再起動
一時的な不具合を解消し、PCのパフォーマンスをリフレッシュします。
ステップ 1. 画面左下の「スタート」ボタンをクリックします。
ステップ 2. 電源アイコンを選び、「再起動」をクリックします。
定期的に再起動することで、システムのリフレッシュが行われ動作が軽くなります。
方法2. 不要なアプリとファイルの削除
使用しないアプリや古いファイルを削除し、ディスク容量を確保することで、ストレージのパフォーマンスを向上させます。
ステップ 1. 「スタート」アイコン→「設定」をクリックします。
ステップ 2. 設定画面が表示されるので、左のメニューから、「アプリ」をクリックします。
ステップ 3. 右側のメニューで、Win11 Proの場合、「アプリと機能」をクリックします。 ※Homeの場合は「インストールされているアプリ」をクリック。
ステップ 4. アプリの一覧の中から、アンインストールしたいアプリの横のメニューボタンをクリックし、「アンインストール」をクリックします。
PartitionAssistant for Cleanupなどの無料PCクリーンアップツールを使えば、一括で不要データを削除できます。
このツールは、ジャンクファイルや大容量ファイル、重複ファイルを自動でスキャンして整理することができます。Windows 11/10/8/7/Serverに完全に対応しており、初心者でも数回のクリックで安全にディスクの空き容量を確保できます。
ステップ 1. PartitionAssistant for Cleanupをインストールして起動します。「ジャンクファイルの削除」タブをクリックします。「スキャン開始」ボタンをクリックして、ジャンクファイルのスキャンを開始します。
ステップ 2. スキャン処理が完了すると、すべてのシステムジャンクファイル(ごみ箱ファイル、一時ファイル、ログファイル、無効なショートカットなど)とレジストリジャンクファイル(DLLレジストリ、システムレジストリ、プログラムレジストリなど)が表示されます。不要なファイルを選択したら、「今すぐ削除」ボタンをクリックしてクリーンアップを開始します。
ステップ 3. クリーンアップには時間がかかる場合があります。選択したファイルがクリーンアップされます。プロセスが完了すると、クリーンアップ完了ウィンドウが表示され、クリーンアップ済みのファイルとまだクリーンアップされていないファイルの数が表示されます。
方法3. Windows Updateとドライバーの更新
最新のWindows Updateやデバイスドライバーを適用することで、パフォーマンスの改善やバグの修正が期待できます。
▶最新のWindows Updateを適用する方法
ステップ 1. 画面左下の「スタート」アイコンをクリックします。スタートメニューから「設定」を選択します。
ステップ 2. 設定画面の左側のメニューから「Windows Update」を選択します。そして「更新プログラムの確認」をクリックします。
ステップ 3. 利用可能な更新プログラムが見つかった場合は、「ダウンロードとインストール」を選択します。
ステップ 4. 更新プログラムのインストールが完了したら、必要に応じてPCを再起動します。再起動が必要な場合は、その旨が表示されるため、指示に従って「今すぐ再起動する」を選択します。
▶ドライバーを更新する方法
ステップ 1. Windowsの検索ボックスに「デバイスマネージャー」と入力して開きます。
ステップ 2. 目的のデバイスカテゴリ(例:「ディスプレイアダプター」)を展開します。
ステップ 3. 更新したいデバイスを右クリックし、「ドライバーの更新」を選択します。
ステップ 4. 「ドライバーを自動的に検索」をクリックし、画面の指示に従います。
方法4. スタートアップとバックグラウンドアプリの管理
Windows起動時に自動的に実行されるアプリ(スタートアップアプリ)やバックグラウンドで動作するアプリを無効にすることで、起動速度と全体の動作が軽快になります。
ステップ 1. 「Ctrl + Shift + Esc」でタスクマネージャーを開きます。
ステップ 2. 「スタートアップ」タブをクリックします。
ステップ 3. 不要なアプリを右クリックして「無効化」をクリックします。
方法5. 視覚効果の調整
Windowsに搭載されているアニメーションや透過効果といった視覚効果をオフにし、パフォーマンスを優先する設定に変更することで、動作がスムーズになります。
ステップ 1. WindowsキーとRを同時に押し、「ファイル名を指定して実行」を表示します。次に「sysdm.cpl」と入力してEnterを押します。
ステップ 2. 「詳細設定」タブの「パフォーマンス」項目にある「設定」をクリックします。
ステップ 3. 「視覚効果」のタブで「パフォーマンスを優先する」にチェックを入れ、「OK」をクリックします。
方法6. 電源プランの最適化
電源プランを「高パフォーマンス」に設定することで、PCの性能を最大限に引き出すことができます。
ステップ 1. 検索ボックスに「電源プラン」と入力して「電源オプション」を開きます。
ステップ 2. 開いた画面で、「バランス」、「省電力」、「高パフォーマンス」などから、目的に合ったプランを選択します。
方法7. ウイルス・マルウェアのチェック
ウイルスやマルウェアに感染していないかスキャンを実行し、感染している場合は駆除します。
ステップ 1. スタートをクリックし、メニューから「Windowsセキュリティ」を選択します。
ステップ 2. Windowsセキュリティ画面で、「ウイルスと脅威の防止」をクリックします。
ステップ 3. 右ペインで「クイックスキャン」をクリックします。
👉パート2. ハードウェアによる改善策
方法8. メモリ(RAM)の増設
メモリを増やすことで、同時に多くのアプリを起動しても動作が遅くなりにくくなります。詳しくはこちらへ
ステップ 1. 「タスクマネージャー」で「パフォーマンス」タブを開き、メモリ使用率を確認します。
ステップ 2. 使用率が常に高い場合は、メモリを追加しましょう。
ステップ 3. 対応するメモリ規格(DDR4、DDR5など)を確認して購入・増設します。
方法9. SSDへの換装
今でもHDDを使用している場合、SSDへの換装は最も効果的なパフォーマンス改善方法です。
- SSDのメリット
- 起動時間が約1/3に短縮
- アプリの起動が圧倒的に速くなる
- ファイルの読み書きがスムーズ
- 静音・省電力
SSDは可動部分がないため、故障リスクも低く、データアクセス速度がHDDの数倍です。
▶換装の手順概要
ステップ 1. まず重要なデータをバックアップします。
ステップ 2. クローンソフト(例:PartitionAssistant)を使ってHDDをSSDにコピーします。
ステップ 3. パソコンをシャットダウンし、HDDを取り外してSSDを装着します。
ステップ 4. 再起動して動作確認します。
換装後は、起動スピード・アプリの起動時間・全体のレスポンスが劇的に向上します。 古いPCでも、SSDに変えるだけでまるで新品のように快適に動作します。
👉パート3. 最終手段
方法10. OSのクリーンインストール
上記の対策で改善しない場合、Windowsを初期状態に戻す「クリーンインストール」を行うことで、システムを根本からリフレッシュし、動作を改善できます。詳しくはこちらへ
クリーンインストールは不要なファイル、レジストリ、アプリをすべて削除し、Windowsをまっさらな状態で入れ直す作業です。 長年使ったPCは内部で設定やゴミファイルが溜まり、動作が不安定になっています。クリーンインストールでそれを一掃できます。
ステップ 1. USBメディアにWindows 10/11のインストールツールを作成します。
ステップ 2. データをバックアップします。
ステップ 3. BIOSからUSBブートを設定し、インストール開始します。
ステップ 4. 「カスタムインストール」を選択し、古いパーティションを削除して再インストールします。
時間はかかりますが、まるで新品のような軽快さを取り戻せます。 特に古いPCを再利用したい場合は、非常に効果的です。
まとめ
パソコンの動作が遅くなる原因は一つではなく、不要ファイルの蓄積やメモリ不足、古いハードウェアなどが複合的に影響している場合があります。まずは不要データの削除や自動起動アプリの見直しを行い、システムの負担を軽減しましょう。それでも改善しない場合は、SSDへの交換やメモリ増設といったハード面の見直しも効果的です。
パソコンの動作が重くてストレスを感じている方は、まずPartitionAssistant for Cleanupを試してみてください。システムをクリーンに保ち、ディスクを最適化することで、Windows 10/11を新品のように軽快に動作させることができます。