USBに『フォーマットする必要があります』と表示された時の対処法

フォーマット不要でUSBのデータを復元!原因別の対処法と、復旧ソフトを使った安全なファイル救出方法をご紹介。

投稿者 @カオル 2025年04月30日 更新者 @カオル 2025年04月30日

USBメモリをパソコンに挿したときに「フォーマットする必要があります。フォーマットしますか?」というメッセージが出たことはありませんか?このメッセージは、パソコンがUSBメモリのデータを読み取れないときに表示されますが、必ずしもUSBメモリが壊れているわけではありません。ただし、この表示は、USB内のデータが見られないだけでなく、誤ってフォーマットしてしまうと大切なファイルが消えてしまうというリスクも伴います。

この記事では、なぜこのエラーメッセージが表示されるのか、データを失わずに取り出す方法、今後このようなエラーを防ぐための予防策までわかりやすく解説します。ぜひ最後まで読んでみてください。

なぜフォーマット要求のメッセージが表示されるか?

「フォーマットする必要があります」エラーメッセージが出る主な原因は次の通りです:

ファイルシステムの破損(論理障害)

USBメモリのファイルシステムが損傷すると、パソコンがデータを正しく読み取れず、エラーメッセージが表示されることがあります。

不明または未対応のファイルシステム

USBメモリが接続しているデバイスでサポートされていないファイルシステムでフォーマットされていると、デバイスがデータを認識できないことがあります。

USBメモリの物理的または電子的な故障

USBメモリが物理的に壊れているか、内部回路に問題がある場合、正常に動作しないことがあります。この場合もエラーメッセージが表示されることがあります。

ウイルスやマルウェアの影響

USBメモリがウイルスに感染すると、データにアクセスできなくなることがあります。その結果、フォーマットを求めるメッセージが表示されることがあります。

ドライバやシステムの問題

接続しているパソコンに問題があると、このエラーが起こることがあります。特に古いOSやUSBドライバが更新されていない場合に多く見られます。

パーティション情報の損失

USBメモリのパーティション情報が消えたり壊れたりすると、デバイスが記憶領域を認識できず、フォーマットを求めることがあります。

データ容量の制限

USBメモリだけでなく、ストレージがいっぱいになると、動作が不安定になり、フォーマットを求めるメッセージが表示されることがあります。

ヒントパソコンがUSBを認識しない場合、他にも「USBデバイスが認識されません」「不明なデバイス」や「コード43」というエラーが表示されます。どちらでもフォーマットして問題解決できる場合があります。

USBメモリのデータをフォーマットせずに取り出す

このセクションでは、フォーマットせずにUSBメモリのデータを取り出す3つの方法を紹介します。

方法1: 別のパソコンに挿して認識を確認する

最もシンプルかつ試しておきたいのが、別のパソコンにUSBを接続してみるという方法です。

「フォーマットする必要があります」というメッセージは、使用中のパソコン側の問題で表示されることもあります。たとえば、ドライバの不具合やUSBポートの接触不良、あるいはファイルシステムの互換性の問題があるや一時的なシステムエラーが原因の可能性もあるため、他のPCで正常に認識されれば、データはそのまま取り出せることも少なくありません。

▌ファイルシステムについて:
ファイルシステムは、コンピュータのストレージデバイス(ハードディスク、SSD、USBメモリなど)にデータを保存し、管理するための仕組みです。これにより、ファイルの作成、保存、アクセス、管理、削除などの操作が可能になり、ユーザーやアプリケーションがデータを効率よく利用できます。
Windowsでよく使われるファイルシステムには、主にNTFS(標準ファイルシステム)、FAT32(古いシステムや互換性が必要なデバイス用)、exFAT(FAT32の制限を克服するために作られたもの)があります。

試すときのポイント:

できればWindowsとMac両方で確認する:OSの違いによって認識状況が変わることもあります。

複数のUSBポートを試す:接触不良やポートの電力不足が原因の場合があります。

パソコンを再起動してから試す:一時的なドライバの不具合が解消することもあります。

この方法でUSBメモリが問題なく開けるようであれば、データを速やかにバックアップし、念のためUSBをフォーマットし直しておくと安心です。

方法2: データ復旧ソフトでデータの取り出しを行う

USBメモリに「フォーマットする必要があります」と表示される原因の1つは、ファイルシステムの破損です。このような場合、フォーマットを実行せずにデータ復旧ソフトを使うことで、ファイルを元のまま取り出せる可能性が高いです。中でもおすすめなのが、Partition Assistant for Recoveryです。

✎Partition Assistant for Recoveryをおすすめする理由:
写真、音声、ビデオ、PPT/PPTX、Word、Excel、PDF、メール、動画など1000以上のファイルタイプをサポートします。
内蔵・外付けHDD/SSD、SDカード、USBドライブなど、様々なストレージデバイスに対応します。
誤削除、ごみ箱の削除、フォーマット、上書き、設定ミスなどのデータ損失のシナリオから復元できます。
直感的で使いやすいUIを提供しています。
Windows 7、8、10、11のすべてのバージョンに対応しています。
無料ダウンロードWin 11/10/8.1/8/7対応
安全かつ快適

ステップ1. 場所を選択

Partition Assistant for Recoveryをインストールして起動します。データが失われたドライブ(この例ではHドライブ)を選択し、「スキャン」をクリックします。

ステップ2. ファイルを選択

「クイックスキャン」で削除されたデータを迅速に検出し、その後「ディープスキャン」で他の失われたデータを検索します。スキャンが完了すると、削除されたファイルや紛失したファイルが表示されます。

ファイル名やフォルダー名を簡単に入力して、ファイルやフォルダーを検索できます。ファイル名やフォルダー名を検索したり、ファイルサイズ、変更日、ファイルタイプでフィルター処理することもできます。

ステップ3. 保存先を選択

「フォルダーの選択」ボタンをクリックして、復元したファイルを保存するパスを選択します。

ファイルの上書きを避けるため、復元されたファイルを元場所と異なるディスクで保存しなければなりませんので注意してください。

方法3: コマンドプロンプトでUSBの論理エラーを修復する

USBメモリが「フォーマットする必要があります」と表示される場合でも、ファイルシステムに軽度の論理エラーが発生しているだけであれば、コマンドプロンプトを使って修復できる可能性があります。CHKDSK」コマンドを使うことで、自動的に修復を試みることが可能です。

ステップ 1. 「Windowsキー+Rキー」を押し、「cmd」と入力し、「Enter」を押します。

ステップ 2. 次のコマンドを入力し、入力の後でEnterキーを押して操作を実行します。

chkdsk g: /f /r /x(「g:」はUSBメモリのドライブレターに置き換えてください。)

USBメモリを故障から守るために今すぐできる予防策

USBメモリはコンパクトで使いやすい一方で、正しく扱わないと簡単にデータトラブルや故障を招いてしまう繊細なデバイスです。「フォーマットする必要があります」といったエラーを防ぐためにも、日常的に以下のようなポイントに気をつけて使用しましょう。

▸安全な取り外しを習慣にする

USBメモリをパソコンから抜くとき、タスクバーの「ハードウェアの安全な取り外し」を使わずにいきなり引き抜いていませんか? これはファイルシステムの破損や「フォーマット要求エラー」の原因になります。データ書き込み中に抜くと、未保存の情報が壊れてしまうこともあるため、必ず安全に取り外す手順を守るようにしましょう。

▸使用中はUSBメモリを動かさない・衝撃を与えない

USBを使っている間に物理的な衝撃や振動が加わると、内部の接点や基板が損傷する恐れがあります。特にノートパソコンで持ち運びながら使う場合は、十分に注意が必要です。

▸定期的にバックアップを取る

USBは便利ですが、あくまで一時的なデータ保存用としての使用が理想です。大切なデータは定期的にパソコンやクラウドストレージにバックアップを取り、万が一に備えておきましょう。

▸信頼できる製品を選ぶ

価格の安さだけでUSBメモリを選ぶと、品質のばらつきや寿命の短さによってトラブルの原因になることがあります。信頼性の高いメーカー製品を選ぶことで、故障リスクを大幅に下げることができます。

▸フォーマット形式や容量を用途に合わせる

WindowsとMacの両方で使う場合はexFAT形式、大容量ファイルの保存が多いならNTFS形式など、用途に合ったフォーマット形式を選ぶことも、長く安定して使うための大切なポイントです。

こうした基本的な使い方を守るだけでも、USBメモリの寿命を大きく延ばし、突然のエラーやデータ消失リスクを回避できます。手軽に使えるツールだからこそ、丁寧な扱いが大切です!

まとめ

USBメモリに「フォーマットする必要があります」というメッセージが表示されたとき、焦ってそのままフォーマットしてしまうと、大切なデータが失われてしまう可能性があります。しかし、適切な対処法を知っていれば、データを守りながら問題を解決することができます。今回ご紹介したように、他のパソコンでの動作確認、データ復旧ソフトによるファイルの救出、コマンドプロンプトでのエラー修復といった方法を段階的に試すことで、状況に応じた最適な対応が可能です。

普段からUSBを安全に使い、定期的にバックアップを取ることで、データ紛失のリスクを大きく減らすことができます。

よくある質問(FAQ)

Q1. フォーマット要求のメッセージが表示された場合、フォーマットしないと使えないのですか?

A. いいえ、フォーマットしなくても使えることがあります。

このメッセージは、USBメモリのデータが正しく読み取れないときに出る警告です。ただし、データが壊れていなければ、データ復旧ソフトや別のパソコンを使って、フォーマットせずにデータを取り出せることがあります。

Q2. フォーマットしたらデータは完全に失われますか?

A. 完全に失われるわけではありません。

フォーマットした直後であれば、データ復旧ソフトを使ってデータを取り戻せる可能性があります。ただし、フォーマット後に何度も新しいデータを書き込むと、復旧が難しくなるので気をつけてください。

Q3. USBメモリを修復する簡単な方法はありますか?

A. Windowsの場合は、修復を試みるために、「chkdsk」コマンドでを試してみてください。

Q4. フォーマット要求のメッセージが表示されるのはUSBメモリが壊れているからですか?

A. 壊れている可能性もありますが、それだけが原因ではありません。ファイルシステムの破損や互換性の問題など、ソフトウェア的な要因も多いです。また、USBポートの接触不良や内部回路の故障など、物理的な問題も考えられるため、状況に応じた対処が必要です。

Q5. ウイルスに感染している場合、フォーマット要求のメッセージが表示されることがありますか?

A. はい、その可能性があります。ウイルスやマルウェアに感染すると、USBメモリのファイルシステムが壊れ、このエラーメッセージが出ることがあります。ウイルススキャンソフトを使って、感染の疑いがあるUSBをスキャンすることをおすすめします。