【Windows11対応】ワード(Word)ファイルを上書き保存してしまった!復元する方法を徹底解説

Wordファイルをうっかり上書き保存してしまった…そんなときの復元方法を、Windows11対応で3ステップ解説。自動保存・一時ファイル・復元ソフトを活用し、データの取り戻し方と予防策をわかりやすく紹介します。

カオル

更新者: カオル / 2025年05月27日

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大事なWordファイルを間違えて上書き保存してしまった…」という経験はありませんか?特にWindows11で作業していると、自動保存やクラウドの同期などにより、知らぬ間に元のデータが消えてしまうこともあります。

本記事では、上書き保存されたWordファイルをできる限り元の状態に戻すための復元方法を詳しくご紹介します。復元の仕組みから、便利な機能・ソフトウェアの活用法まで、順を追って解説しますので、落ち着いて読み進めてください。

Wordファイル

上書き保存の仕組みと復元の可能性

Word(ワード)ファイルの上書き保存は、日常的な操作の一つですが、その仕組みを正しく理解しておくと、万が一のときに復元の可能性を判断しやすくなります。

上書き保存とは何が起きているのか?

Wordで上書き保存を行うと、現在開いているファイルの内容がファイル名をそのままにして上書きされ、元のデータは原則として上書きされて削除されます。具体的には、Wordは「同じファイル名」で「新しい内容」を再保存し、古いデータはファイルシステム上で削除された扱いとなり、完全に消去される前に一時的にストレージ上に痕跡が残ります。この仕組みのため、一見すると元に戻せないように感じますが、実際にはいくつかの方法で復元できる可能性があります。

上書き保存でも復元が可能な理由は?

1. オートリカバリ機能による一時保存:Wordには、数分ごとに自動で作業内容を保存する「オートリカバリ」機能が備わっています。これにより、保存前のバージョンが一時ファイルとして残る場合があります。

2. 一時ファイル(.asdや.wbk)の存在:上書きや強制終了に備えて、Wordは裏で一時ファイルを作成しています。これらのファイルが残っていれば、上書き直前の内容を復元できることもあります。

3. OneDriveのバージョン履歴:WordファイルをOneDriveに保存している場合、クラウド上に自動的にバージョン履歴が残るため、以前の状態に戻せる可能性が高くなります。

4. ファイルシステムに残る「痕跡」:Windowsのファイルシステムでは、上書きされた直後は完全な消去が行われず、復元ソフトでアクセスできる残留データが存在するケースがあります。

復元の可否は「上書き後の操作」によって変わる!

注意すべき点は、上書き後にどれだけPCを使い続けたかによって、復元の成功率が大きく変わるということです。

上書き直後:データが上書きされきっていない状態のため、復元可能性が高い
長時間使用・大量の保存操作:データが別の情報で完全に上書きされてしまう可能性が高まり、復元が困難になる

そのため、「あっ」と思ったら、すぐに操作を中止し、復元処理に入ることが重要です。

復元方法①:Wordの自動保存・バージョン履歴を使う

Wordには、編集内容を自動で保存したり、過去のバージョンを履歴として残す機能が搭載されています。上書き保存をしてしまった場合でも、これらの機能を使えば直前の状態に戻せる可能性があります。利用できる機能には以下の2つがあります:

  • 自動保存(オートリカバリ)
  • バージョン履歴(OneDriveなどのクラウド保存時)

【方法A】自動保存(オートリカバリ)機能から復元する

Wordには作業中のファイルを定期的に保存する「オートリカバリ」という機能があります。Wordが強制終了したり、誤って上書き保存した場合でも、この自動保存ファイルが残っていれば、復元できることがあります。

ステップ 1. Wordの「ファイル」タブをクリックし、「オプション」を選択します。

ステップ 2. 「保存」をクリックし、「自動回復用ファイルの場所」を見つけて「参照」をクリックしてフォルダを開きます。

自動回復用ファイルの場所

または、パスをコピーしてエクスプローラーの検索ボックスに貼り付け、「Enter」キーを押して移動します。

検索ボックス

ステップ 3. 上書き保存されたWordファイルを探して開き、別の安全な場所に保存します。

【方法B】バージョン履歴(OneDrive使用時)から復元する

OneDriveなどクラウドストレージに保存しているファイルであれば、自動的に「バージョン履歴」が記録されているため、数ステップで過去の状態を復元可能です。

ステップ 1. Microsoft Wordプログラムを起動し、「ファイル」メニューに進みます。

ステップ 2. 左側のメニューに表示されるオプションから「情報」を選択します。

ステップ 3. 「バージョンの管理」をクリックします。

バージョンの管理

ステップ 4. ポップアップされたウィンドウで、「比較」を選択し、復元したいWordのバージョンを特定して選択します。

ステップ 5. 「復元」をクリックして、選択したWordバージョンを復元します。

復元方法②:一時ファイルから復元する

Wordでは、ファイルの編集中や異常終了に備えて、自動的に一時ファイル(テンポラリファイル)を生成しています。上書き保存してしまった場合でも、この一時ファイルが残っていれば、上書き前の状態を復元できる可能性があります。

▶一時ファイルとは?
Wordが自動生成する一時ファイルには、以下のような種類があります:
.asdファイル(自動回復ファイル)
.wbkファイル(バックアップファイル)
.tmpファイル(作業中の一時ファイル)
これらは、特定のフォルダ内に一時的に保存されており、ファイルのクラッシュや誤操作時に、内容の一部がそこから取り戻せるケースがあります。

探すべきフォルダと拡張子:以下のフォルダに一時ファイルが残っていることがあります。

▼ よく使用される保存先

  • C:\Users\[ユーザー名]\AppData\Roaming\Microsoft\Word\
  • C:\Users\[ユーザー名]\AppData\Local\Microsoft\Office\UnsavedFiles\
  • C:\Users\[ユーザー名]\AppData\Local\Temp\

※[ユーザー名]には実際のWindowsログイン名が入ります。

▼ 対象の拡張子

  • .asd(自動回復)
  • .wbk(バックアップ)
  • .tmp(一時ファイル)

一時ファイルから復元する手順は以下の通りです。

ステップ 1. 「Win+E」キーを押してファイルエクスプローラーを起動します。

ステップ 2. 「.tmp」などの拡張子と入力して検索を行います。或いはよく使用される保存先をチェックします。

ステップ 3. 結果リストからWord文書のtmpファイルを選択し、保存します。

一時ファイル

復元方法③:それでもダメならデータ復元ソフトを使う

Wordの自動保存や一時ファイルでも目的のデータが見つからない場合は、専門のデータ復元ソフトを使用する方法が有効です。上書き保存や削除によって見えなくなったデータも、ディスク上に痕跡が残っていれば復元できる可能性があります。特におすすめなのが、Partition Assistant for Recoveryです。

このツールは、Wordファイルはもちろん、写真・音声・動画・PDF・メールなど1000種類以上のファイル形式に対応しており、誤って上書きしたデータでも高い精度でスキャン・復元することが可能です。また、内蔵/外付けHDDやSSD、USBメモリ、SDカードなど多様なストレージデバイスに対応しており、ごみ箱からの削除、フォーマット、システム設定ミスなどの幅広いデータ損失シナリオに対応しています。

Partition Assistant for Recovery

プロのなWindowsデータ復旧ソフトでさまざまな状況から失われたデータを復元できる

※注意:復元したいデータが上書きされる恐れがあるため、データが失われたドライブに本ソフトウェアをダウンロードしてインストールしないでください!

ステップ1. 場所を選択

Partition Assistant for Recoveryをインストールして起動します。データが失われたドライブ(この例はCドライブ)を選択し、「スキャン」をクリックします。

1

ステップ2. ファイルを選択

「クイックスキャン」で削除されたデータを迅速に検出し、その後「ディープスキャン」で他の失われたデータを検索します。スキャンが完了すると、削除されたファイルや紛失したファイルが表示されます。

ファイル名やフォルダー名を簡単に入力して、ファイルやフォルダーを検索できます。ファイル名やフォルダー名を検索したり、ファイルサイズ、変更日、ファイルタイプでフィルター処理することもできます。

検索する

ステップ3. 保存先を選択

「フォルダーの選択」ボタンをクリックして、復元したファイルを保存するパスを選択します。

ファイルの上書きを避けるため、復元されたファイルを元場所と異なるディスクで保存しなければなりませんので注意してください。

保存先を選択

今後の予防策:上書きによるデータ損失を防ぐためにできること

一度上書き保存してしまうと、復元の難易度は一気に上がります。万が一に備えて、日頃から以下のような予防策を実践しておくことが重要です。

1. 「自動保存」機能を有効にする(Microsoft 365ユーザー向け)

Microsoft Wordの「自動保存」機能は、数秒ごとにファイルの変更を自動的にクラウドへ保存してくれるため、作業内容の損失を大幅に減らすことができます。

設定方法:Word上部のメニューにある「自動保存」スイッチをONにします。(※OneDriveなどに保存されている必要があります)。

2. 「別名保存」を習慣づける(Ctrl + Shift + S)

重要な修正や作業前には、既存ファイルを上書きせず、「名前を付けて保存」で別のファイルとして保存することを習慣づけましょう。ファイル名に日付やバージョンを加えると、過去の状態と区別がしやすくなります。

例:レポート_2025年5月版_v2.docx

3. バージョン管理ができるクラウドストレージを活用する

OneDriveやGoogle Driveなどのクラウドサービスでは、自動で「バージョン履歴」を保存してくれる機能があります。誤って上書きしても、以前の状態に戻せるため、ローカル保存よりも安全です。

▶推奨サービス:
Microsoft OneDrive(Wordとの相性が最も高い)
Google Drive(Docsとの併用で効果的)

4. 定期的なバックアップを取る

手動またはツールを使って、定期的にフォルダ全体を別の場所にバックアップしておくことも有効です。外付けHDDやNAS、クラウドバックアップなどを活用するのが理想的です。

まとめ

Wordファイルをうっかり上書き保存してしまったとき、「もう戻せない」とあきらめるのはまだ早いかもしれません。この記事では、Windows11環境で試すべき3つの復元方法として、Wordの自動保存・バージョン履歴の活用、一時ファイルの確認、そしてデータ復元ソフトの使用という順に、具体的な手順とポイントを解説しました。また、今後同じトラブルを防ぐためには、日頃からのバックアップ習慣やクラウドストレージの活用、こまめなバージョン管理が重要です。Wordファイルの復元は状況によって可能性が異なるため、あせらず段階的に対処し、確実な対策を取っていきましょう。

カオル
カオル · 編集者
カオルはパソコンの基礎知識や、各ソフトに関することなど、幅広く紹介します。わかりやすく、初心者やパソコンに苦手の方でも分かるように工夫をして、IT業界に対しても深い興味を持っています。パーティション管理に関する問題に関心があり、同じ問題に遭遇したユーザーは是非ともブログを参照してください。