Windows PCでキャッシュを安全に削除・クリアする方法
キャッシュが溜まりすぎると、パソコンの動作が遅くなったり、ストレージの容量を圧迫したりすることがあります。そんな時に有効なのが、定期的なキャッシュ削除(キャッシュクリア)です。この記事では、Windows PCでキャッシュを削除する具体的な方法やその効果、注意点についてわかりやすく説明します。
キャッシュとは?削除するとどうなる?
パソコンの動作が遅くなったと感じたとき、原因の一つとして考えられるのが「キャッシュ」の蓄積です。キャッシュとは、一時的に保存されるデータのことで、ウェブブラウザやアプリ、システムなどが動作を高速化するために使っています。キャッシュを削除しても基本的に問題はなく、必要な場合は自動で再生成されます。
Windowsにはさまざまな種類のキャッシュがあります。代表的なものを挙げると以下の通りです:
- システムキャッシュ(Windows Update、イベントログなど)
- 一時ファイル(Temp)
- DNSキャッシュ
- ブラウザキャッシュ(Chrome/Edge/Firefoxなど)
- プリフェッチ(Prefetch)キャッシュ
- Microsoft Storeのキャッシュ
- フォントキャッシュ
- アイコンキャッシュ
- サムネイルキャッシュ
それぞれに役割がある一方で、削除しても再生成されるので安全に掃除できます。
Windows PCでキャッシュを安全に削除・クリアする方法
キャッシュはパソコンの動作を一時的に高速化するためのデータですが、溜まりすぎると逆に動作が重くなる原因になります。ここでは、Windows 10/11ユーザー向けに、各種キャッシュの削除・クリア方法をわかりやすく紹介します。
1. おすすめキャッシュ削除無料ソフトを使う
初心者におすすめなのが、無料PCクリーナー「Partition Assistant for Cleanup」です。ボタン1つでジャンクファイルやキャッシュを自動スキャン&削除してくれるので、専門知識がなくても使えます。特に、Tempファイルやブラウザキャッシュ、Windowsシステム関連の隠れキャッシュも対象なので、徹底的なクリーンアップが可能です。
- Partition Assistant for Cleanupは、無料で使える軽量ツールで、以下のような特徴があります:
- システム全体のキャッシュ、一時ファイル、ログファイルなどを自動で検出
- 削除候補をリストで表示し、確認してから削除できるため安全性が高い
- クリック操作だけで、短時間でストレージをすっきり整理
- Windows 11/10/8/7/Serverなど幅広く対応
初心者でも使いやすい直感的なインターフェースが用意されており、面倒な手順なしに「今すぐ削除」が可能です。キャッシュクリアだけでなく、重複ファイルの検索・削除、大容量ファイルの削除など、PC全体のストレージ管理に役立つ機能があります。
ステップ 1. Partition Assistant for Cleanupをインストールして起動します。「ジャンクファイルの削除」タブをクリックします。「スキャン開始」ボタンをクリックして、ジャンクファイルのスキャンを開始します。
ステップ 2. スキャン処理が完了すると、すべてのシステムジャンクファイル(ごみ箱ファイル、一時ファイル、ログファイル、無効なショートカットなど)とレジストリジャンクファイル(DLLレジストリ、システムレジストリ、プログラムレジストリなど)が表示されます。不要なファイルを選択したら、「今すぐ削除」ボタンをクリックしてクリーンアップを開始します。
ステップ 3. クリーンアップには時間がかかる場合があります。選択したファイルがクリーンアップされます。プロセスが完了すると、クリーンアップ完了ウィンドウが表示され、クリーンアップ済みのファイルとまだクリーンアップされていないファイルの数が表示されます。
2. システムキャッシュの削除方法
システムキャッシュの削除方法は、使用しているOSやデバイスによって異なります。一般的には、設定アプリやコントロールパネルからキャッシュを削除する機能が提供されています。
ステップ 1. スタートボタンを右クリックし、「設定」を選択してください。
ステップ 2. 「システム」→「記憶域」をクリックします。
ステップ 3. 以下のストレージにて一時ファイルを選択します。
ステップ 4. 消したい一時ファイルリストが出てきますので、その中から消すものにチェック項目をした後に、「ファイルの削除」をクリックしていください。
3. ブラウザキャッシュの削除方法
ブラウザごとに手順が異なりますが、基本的には設定メニューから「閲覧履歴の削除」や「キャッシュされた画像とファイル」などを選んで削除できます。特に、ChromeやEdgeを長く使っていると数GB単位のキャッシュが溜まっていることもあります。
ここでChromeブラウザのキャッシュ・履歴を削除する手順を紹介します。
ステップ 1. Chromeブラウザを開き、画面右上の「︙」(設定など)をクリックします。 「設定」を選択します。
ステップ 2. 左側のメニューから「プライバシーとセキュリティ」を選択します。 「閲覧履歴データの削除」をクリックします。
ステップ 3. 「基本」または「詳細設定」タブで、削除したい期間(1時間以内、24時間、7日間、4週間、全期間)を選択します。
ステップ 4. 削除したいデータの種類(閲覧履歴、Cookieと他のサイトデータ、キャッシュされた画像とファイルなど)にチェックを入れます。
ステップ 5. 「データを削除」をクリックします。
4. Windows Storeキャッシュのクリア方法
Windowsストアのキャッシュをクリアするには、wsreset.exeコマンドを実行します。具体的には、「Windowsキー + R」を押し、「ファイル名を指定して実行」ダイアログボックスに「wsreset」と入力して、Enterキーを押します。すると、空白のコマンドプロンプトウィンドウが開き、自動的に閉じ、Microsoft Storeが起動してキャッシュがクリアされます。
ステップ 1. 「Windowsキー + R」を押します。
ステップ 2. 「ファイル名を指定して実行」ダイアログに「wsreset」と入力します。Enterキーを押すか、「OK」をクリックします。
ステップ 3. 数秒後にMicrosoft Storeが自動的に再起動され、キャッシュがクリアされます。
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キャッシュのクリア後、Microsoft Storeが自動的に開かない場合は、手動で起動してみてください。
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Microsoft Storeが正常に開かない場合は、Windows Updateの確認や、時刻と場所の設定を確認してください。
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必要に応じて、Microsoft Storeをリセットすることもできます。「設定」→「アプリ」→「アプリと機能」→「Microsoft Store」→「詳細オプション」→「リセット」と進みます。
5. 一時ファイル・Tempフォルダの削除方法
「Windowsキー + R」で「%temp%」と入力すると、一時ファイルを保存しているフォルダが開きます。中身をすべて選択して削除すればOKです。同様に「C:\Windows\Temp」も同じく不要なファイルの溜まり場となっているので、こちらも削除対象です。
ステップ 1. 「Windowsキー+R」で「%temp%」と入力し、「OK」をクリックします。
ステップ 2. 表示されたフォルダ内のファイルをすべて選択し、右クリックして「削除」を選択します。
ステップ 3. 同様に「C:\Windows\Temp」フォルダにもアクセスして削除します。
6. DNSキャッシュの削除方法
ネット接続のトラブルを感じたときは、DNSキャッシュの削除が有効です。DNSキャッシュの削除は、主にコマンドプロンプトまたはPowerShellで「ipconfig /flushdns」と入力して実行することで行えます。Windows、macOS、Chromeなど、OSやブラウザによって手順が若干異なりますが、基本的な考え方は同じです。
ステップ 1. 「スタート」メニューに「cmd」と入力し、「コマンドプロンプト」を管理者として実行。
ステップ 2. 「ipconfig /flushdns」と入力し、Enterキーを押します。
ステップ 3. 「DNS リゾルバー キャッシュは正常にフラッシュされました。」と表示されれば完了です。これで古いDNS情報がリセットされ、最新の情報で通信できるようになります。
7. プリフェッチキャッシュの削除方法
Prefetchチファイルはアプリの起動高速化に使われますが、古い情報が残ると逆効果になることもあります。「C:\Windows\Prefetch」フォルダを開き、中のファイルを削除することで整理できます。ただし、このフォルダは管理者権限が必要なため注意が必要です。
ステップ 1. 「Windowsキー+R」で「prefetch」と入力し、「OK」をクリックします。
ステップ 2. 表示された内容をすべて選択し、削除します。※管理者権限が必要な場合があります。
8. フォント・アイコンキャッシュの削除
フォントやアイコンが正しく表示されないときは、キャッシュの破損が原因かもしれません。これらは特殊なキャッシュですが、再起動や専用コマンドで再構築できます。
フォントキャッシュの削除:
ステップ 1. 「Windowsキー + R」を押して「services.msc」と入力してEnterキーを押します。
ステップ 2. 「Windows Font Cache Service」を見つけて右クリックし、「停止」をクリックします。
ステップ 3. エクスプローラーで「C:\Windows\ServiceProfiles\LocalService\AppData\Local\FontCache」へ移動します。
ステップ 4. フォントキャッシュ関連ファイルを削除します。
ステップ 5. 「サービス」ウィンドウに戻り、「Windows Font Cache Service」サービスを再起動します。
ステップ 6. PCを再起動します。
アイコンキャッシュの削除:
ステップ 1. エクスプローラーで表示タブをクリックし、「隠しファイル」にチェックを入れます。
ステップ 2. 「C:\Users[ユーザー名]\AppData\Local」内の「IconCache.db」を削除します。
ステップ 3. サインアウトまたはPCを再起動します。
9. PowerShellやコマンドで一括キャッシュ削除
詳しいユーザーなら、PowerShellで複数のキャッシュ削除を一括で実行することも可能です。
ステップ 1. 「スタート」を右クリック→「Windows PowerShell(管理者)」を選択します。
ステップ 2. 以下のようなコマンドを実行:
Remove-Item -Path "$env:TEMP\*" -Recurse -Force
Clear-RecycleBin -Force
ipconfig /flushdns
この方法なら、複数のキャッシュを1回の操作でまとめて削除できます。
(☞゚ヮ゚)☞関連記事:Cleanmgrコマンド完全ガイド|Windowsのディスククリーンアップを行う方法
まとめ
キャッシュは、パソコンを快適に使うために必要な存在ですが、溜まりすぎると逆にPCの動作に悪影響を与えることもあります。Windowsではさまざまな種類のキャッシュが蓄積されており、それぞれに合った削除方法があります。
本記事で紹介した9つの方法を使えば、安全かつ効率的にキャッシュを削除し、パソコンの動作を軽く保つことができます。特に、初心者にはPartition Assistant for Cleanupのような専用ツールの活用が安心・便利です。定期的にキャッシュをクリアし、PCをクリーンな状態に保ちましょう。
よくある質問
1. キャッシュを削除しても大丈夫?
結論から言えば、キャッシュは削除しても基本的に問題ありません。なぜなら、削除したとしても多くのアプリやシステムは必要に応じて再びキャッシュを自動生成するためです。
ただし、キャッシュの種類によっては、削除するタイミングや方法を誤ると、初回の起動が遅くなったり、設定が初期化されたように見えたりする場合もあります。重要なデータそのものが消えるわけではないので安心ですが、念のため作業前には必要なデータのバックアップを取ることをおすすめします。
2. Windowsでキャッシュを削除するにはどうすればいいですか?
Windowsでは「ディスククリーンアップ」ツールを使うことで、システムキャッシュや一時ファイル、サムネイルキャッシュなどを簡単に削除できます。ほかにも「設定」→「システム」→「記憶域」から不要な一時ファイルを管理することも可能です。また、Webブラウザのキャッシュは、各ブラウザの「履歴」や「設定」から個別に削除できます。
3. コマンドでキャッシュを削除する方法はありますか?
はい、コマンドプロンプトやPowerShellを使用してキャッシュ削除を自動化することも可能です。たとえば、「cleanmgr /sagerun:1」コマンドを使えば、ディスククリーンアップの自動実行ができます。また、特定のフォルダ(例:Tempフォルダ)を「del /q /f」や「Remove-Item」コマンドで手動削除することもできます。