フォーマットしても復元できる!HDDデータを自力で救う方法と注意点

誤ってフォーマットしたHDDでもデータは復元できる可能性があります。この記事では、フォーマットの仕組みや復元の原理、注意点、自力で行う手順に加え、直感的に使える復元ソフト、復元が難しい場合に頼れる専門業者への相談ポイントまで、実例を交えて丁寧に解説します。

カオル

更新者: カオル / 2025年05月19日

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HDDをうっかりフォーマットしてしまった」「大切なファイルが全部消えた」。こんな状況に直面すると、頭が真っ白になってしまう方も多いのではないでしょうか。

でも、心配しないでください。HDDをフォーマットしてしまった場合でも、状況によってはデータを復元できる可能性があるんです。

この記事では、なぜ復元が可能なのか、その仕組みや注意点、具体的な対処法についてお話しします。

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フォーマットとは?クイックと完全の違い

HDD(ハードディスク)の「フォーマット」とは、ストレージ内のデータを初期化し、再利用可能な状態にすることを指します。フォーマットには主に2つの種類があります:

クイックフォーマット:データのインデックス情報(管理情報)のみを削除。実際のデータは残っている
完全フォーマット:インデックス情報に加え、ディスク全体を上書きして消去。復元の難易度が高い

多くの場合、Windowsの内蔵HDDや外付けHDDを初期化する際にはクイックフォーマットが選択されており、この方法ではデータの復元が比較的容易であると考えられています。

なぜフォーマット後でもデータは復元できるのか?

HDD(ハードディスクドライブ)では、ファイルは物理的な磁気ディスク上のセクタ(sector)に保存されています。フォーマットとは、ファイルシステムの構造(例:NTFSやFAT32など)を再構築する処理であり、実際のデータそのものをすぐに消去するわけではありません。

ファイルシステムと「インデックス」の役割→以下のような情報が管理されてている
●ファイル名
●保存場所(セクタ番号)
●ファイルサイズ
●作成日時や属性情報
これらの管理情報は、「インデックス(管理テーブル)」や「ディレクトリエントリ」と呼ばれる領域に記録されています。

復元できる原理:クイックフォーマットを実行すると、このインデックス情報がリセットされ、OSからはすべての領域が空き領域として認識されるようになります。しかし、データ本体セクタ内のバイナリデータはそのまま残っているため、専用ツールでその痕跡をスキャンすることが可能です。

フォーマット直後にやるべき成功率アップの鍵

データ復元の成功率を上げるためには、初動の対応が非常に重要です。

HDDの使用をすぐに中止する
新たなデータの保存・インストールを避ける
可能であればPCの電源を切り、対象HDDを取り外す
別の安全な端末で復元作業を行う

※注意:復元ソフトを使用する際には、スキャン対象のHDDとは異なるストレージにインストールすることが重要です。これにより、データの上書きを防ぐことができます。

実際の成功例と失敗例

データ復元の成否は、「フォーマット後にどのような対応をしたか」で大きく変わります。ここでは、よくあるケースを2つご紹介します。

成功例:フォーマット直後にすぐ対処したケース 失敗例:フォーマット後に上書き保存してしまったケース
幸運なことに、新しいデータは一切保存していなかったため、復元ソフトを別のドライブにインストールしてスキャンを行ったところ、約95%のファイルを無事に復元することができました。特に仕事の資料や家族写真が戻ってきたことに非常に安心されたとのことです。 HDDの空き容量を確保しようとフォーマットを実行した後、すぐに動画データを大量に保存してしまったユーザーの場合、元のファイルが上書きされてしまい、復元できたのは一部の小さなテキストファイルのみでした。このように、フォーマット後に新しいデータを書き込むと、復元の成功率は大きく下がってしまいます。

自分でできる!HDDデータを復元する具体的な手順

フォーマット後のHDDからデータを取り戻すには、専用のデータ復元ソフトを使ってスキャンを行います。おすすめなのが、Partition Assistant for Recoveryです。

このソフトは、写真・動画・WordやExcelなど1000種類以上のファイル形式に対応しており、内蔵/外付けHDDだけでなく、SSD・USB・SDカードといったさまざまなストレージデバイスにも対応可能。誤削除・フォーマット・上書き・設定ミスなど、あらゆるデータ損失シナリオに対応できるのが特長です。

さらに、直感的なUI(ユーザーインターフェース)で操作も簡単。専門知識がなくても、画面の案内に従うだけでスキャンから復元まで進められます。Windows 11をはじめ、Windows 10/8/7やWindows Serverシリーズにも対応しているので、幅広い環境でご利用いただけます。

Partition Assistant for Recovery

プロのなWindowsデータ復旧ソフトでさまざまな状況から失われたデータを復元できる

※注意:復元したいデータが上書きされる恐れがあるため、データが失われたドライブに本ソフトウェアをダウンロードしてインストールしないでください!

ステップ1. 場所を選択

Partition Assistant for Recoveryをインストールして起動します。データが失われたドライブ(この例はCドライブ)を選択し、「スキャン」をクリックします。

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ステップ2. ファイルを選択

「クイックスキャン」で削除されたデータを迅速に検出し、その後「ディープスキャン」で他の失われたデータを検索します。スキャンが完了すると、削除されたファイルや紛失したファイルが表示されます。

ファイル名やフォルダー名を簡単に入力して、ファイルやフォルダーを検索できます。ファイル名やフォルダー名を検索したり、ファイルサイズ、変更日、ファイルタイプでフィルター処理することもできます。

検索する

ステップ3. 保存先を選択

「フォルダーの選択」ボタンをクリックして、復元したファイルを保存するパスを選択します。

ファイルの上書きを避けるため、復元されたファイルを元場所と異なるディスクで保存しなければなりませんので注意してください。

保存先を選択

復元できない場合は専門業者に相談するべき

復元ソフトを使ってもデータが見つからない、HDDが物理的に壊れている…。このようなケースでは、無理をせずデータ復旧の専門業者に相談するのが最善の方法です。以下のような状況では、個人の力での復元は難しく、逆に状況を悪化させてしまうリスクもあります:

HDDが物理的に故障している(異音がする/パソコンに認識されない/通電しない)

完全フォーマット(フルフォーマット)を実行してしまった

水没や落下などでHDDに物理的ダメージがある

復元ソフトでスキャンしてもファイルが検出されなかった

データの価値が非常に高く、失敗のリスクを避けたい

これらの症状がある場合は、通電を繰り返すだけでもHDDに悪影響を与える可能性があるため、早めに専門業者へ相談しましょう。

費用は、障害レベルや容量によって変動しますが、おおよその目安は以下の通りです:

軽度の論理障害(ソフトで復元できないレベル):2万〜5万円

中度(部分的な物理障害あり):5万〜15万円

重度の物理障害やRAID障害:15万円以上

「高い」と感じるかもしれませんが、ビジネスの重要データや思い出の写真を取り戻せるなら価値は十分にあります。

まとめ

HDDをフォーマットしてしまった場合でも、適切に対処すればデータを復元できる可能性は十分にあります。特に、フォーマット直後にデータを上書きせず、冷静に行動することが復元成功のカギです。この記事で説明したように、HDDの仕組みやフォーマットの種類を理解し、信頼できるデータ復元ソフトを使えば、自分で復元することも可能です。ただし、復元が難しい場合や、失敗できない重要なデータがある場合は、無理をせずに早めに専門の業者に相談することをお勧めします。

カオル
カオル · 編集者
カオルはパソコンの基礎知識や、各ソフトに関することなど、幅広く紹介します。わかりやすく、初心者やパソコンに苦手の方でも分かるように工夫をして、IT業界に対しても深い興味を持っています。パーティション管理に関する問題に関心があり、同じ問題に遭遇したユーザーは是非ともブログを参照してください。