パソコンで消してしまったデータの復元方法まとめ【初心者向け】

データ復元に失敗しないコツや初心者向けの復元方法をまとめました。Windowsの標準機能や復元ソフトの使い方もわかりやすく解説しています。

投稿者 @カオル 2025年05月19日 更新者 @カオル 2025年05月19日
前書き

パソコンで作業中に大事なファイルを誤って削除したことはありませんか?

ゴミ箱を空にしてしまったり、どこを探しても見つからなかったりして、焦ったことがある人も多いでしょう。

しかし、諦めるのはまだ早いかもしれません。実は、削除したデータは完全には消えておらず、正しい手順を踏めば復元できる可能性があります。

この記事では、初心者にもわかりやすく、パソコンで消してしまったデータを復元する方法を解説します。無料で試せる方法から、プロに依頼する方法まで幅広く紹介しますので、焦らずに確認していきましょう。

パソコンで消したデータを復元する前にやるべき準備

データを誤って削除してしまったとき、まず思いつくのは復元作業ですよね。しかし、無闇に操作を続けると、逆に復元の可能性が低くなってしまうことがあるので注意が必要です。

1. パソコンの使用をすぐに控える

削除されたデータは、パソコン上で「見えなくなっただけ」で、実際にはストレージ内に情報が残っていることがあります。ただし、新しいデータを保存したり、ソフトをインストールしたりすると、その領域が上書きされてしまい、復元が困難になる可能性があります。

2. ゴミ箱を確認する

Windowsでは、通常の削除操作でファイルはすぐに消えるのではなく、「ゴミ箱」に移動しています。最も簡単な復元方法なので、まずはゴミ箱に目的のファイルが残っていないか確認しましょう。手順は方法1で説明しています。

3. バックアップやクラウドを確認する

定期的にバックアップを取っている方や、クラウドストレージ(Google Drive、OneDrive、Dropboxなど)を使っている方は、そこから復元できる可能性があります。確認すべき項目は、外付けHDDやUSBメモリなどの物理バックアップ、クラウド上の同期フォルダなどです。Windowsの「ファイル履歴」機能を有効にしていた場合は、方法2の手順を確認しましょう。

初心者でも安心!パソコンの消えたデータを復元する全6つの方法まとめ

方法1|まずはここをチェック!ゴミ箱から消したデータを簡単に復元する

Windowsでファイルを削除した場合、多くの場合は「完全削除」されず、一時的にゴミ箱に移動します。そのため、ゴミ箱の中にファイルが残っていれば、簡単に元の場所に戻すことが可能です。

ステップ 1. デスクトップにある「ゴミ箱」アイコンをダブルクリックして、ゴミ箱を開きます。

ステップ 2. ファイル名、種類、削除日などを確認しながら探します。右上の検索ボックスにキーワードを入力すると便利です。

ステップ 3. 目的のファイルを右クリックし、「元に戻す」を選択します。最後は、復元先のフォルダーを開いて、ファイルが戻っているか確認しましょう。

注意:ゴミ箱を空にしていた場合、ここからの復元はできません。或いは、ゴミ箱の保存容量を超えると、古いファイルから順に自動で削除されることがあります。ゴミ箱の保存容量はゴミ箱のアイコンを右クリックし、「プロパティ」を選択し、「カスタムサイズ」セクションで、最大サイズの数値を調整することができます。

方法2|Windowsのファイル履歴機能を使って過去のデータを取り戻す

Windowsには、「ファイル履歴」という自動バックアップ機能が搭載されています。これを有効にしていた場合、過去の状態のファイルを簡単に復元できます。ただし、この機能は事前に設定を行っていなければ利用できません。

ファイル履歴は、Windows 8以降のOSで利用できます。

ステップ 1. タスクバーの検索ボックスに「ファイル履歴」と入力し、「ファイル履歴でファイルを復元」を選択して、「開く」をクリックします。

ステップ 2. 削除したファイルまたはそのファイルを含むフォルダを探し、目的のファイルが見つかったら、緑色の「復元」ボタンをクリックします。

ステップ 3. 「ファイルを置き換える」を選択して復元を実行します。

方法3|コマンドプロンプトでプロ並みの復元を目指す

コマンドプロンプトとは、Windowsに搭載されている文字入力形式の操作ツールです。ファイルを削除したあとでも、コマンドを使って復元を試みることが可能な場合があります。この方法はやや上級者向けですが、削除されたファイルの痕跡をチェックする際に有効です。

ステップ 1. スタートメニューで「cmd」と検索し、右クリックして「管理者として実行」を選択してください。

ステップ 2. 「chkdsk g: /f /r /x」と入力して「Enter」キーを押します(「g」をチェックしたいドライブ文字に置き換えてください)。

方法4|Microsoft公式ツール「Windows File Recovery」を活用して復元する

Windows File Recovery(ウィンドウズ ファイル リカバリー)」は、Microsoftが提供している無料のファイル復元ツールです。Windows 10(バージョン2004以降)およびWindows 11に対応しており、削除されたファイルをコマンド操作で復元できる公式ツールとして注目されています。このツールはGUI(画面操作)ではなく、コマンドプロンプトで操作する形式のため、基本的な操作手順を事前に確認しておくことが重要です。

ステップ 1. Microsoft Storeを開き、「Windows File Recovery」と検索します。表示されたアプリを選択し、「入手」ボタンをクリックしてインストールします。

ステップ 2. Windows File Recoveryはコマンドラインツールです。そのため、コマンドプロンプトを使って操作を行います。以下は基本的なコマンドの入力例です:

コマンド入力形式:winfr source-drive: destination-drive: [/mode] [/switches]
例:winfr C: D: /regular /n \Users\あなたのユーザー名\Documents\*.docx

注意ツールを使用するには、復元したいファイルの名前、保存場所(パス)、キーワード、または拡張子を事前に把握しておく必要があります。対応しているファイル形式には、JPEG、PDF、PNG、MPEG、Officeファイル、MP3、MP4、ZIPなどがあります。詳しい使い方やコマンドの構文については、公式サイトを参照してください。

方法5|初心者向け!おすすめデータ復元ソフトで安全かつ確実に復元する

ゴミ箱にも残っていない、バックアップもない――そんなときに頼りになるのが「データ復元ソフト」です。専門のデータ復元ソフトは、削除やフォーマット、システムトラブルなどによって失われたファイルを、ストレージの内部からスキャンして復元できます。特に、操作が簡単で復元精度の高いソフトを選ぶことが成功のカギになります。ここでおすすめするのは、Partition Assistant for Recoveryです。

✎Partition Assistant for Recoveryをおすすめする理由:
写真、音声、ビデオ、PPT/PPTX、Word、Excel、PDF、メール、動画など1000以上のファイルタイプをサポートします。
内蔵・外付けHDD/SSD、SDカード、USBドライブなど、様々なストレージデバイスに対応します。
誤削除、ごみ箱の削除、フォーマット、上書き、設定ミスなどのデータ損失のシナリオから復元できます。
直感的で使いやすいUIを提供しています。
Windows 7、8、10、11のすべてのバージョンに対応しています。
無料ダウンロードWin 11/10/8.1/8/7対応
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ステップ1. 場所を選択

Partition Assistant for Recoveryをインストールして起動します。データが失われたドライブ(この例はCドライブ)を選択し、「スキャン」をクリックします。

ステップ2. ファイルを選択

「クイックスキャン」で削除されたデータを迅速に検出し、その後「ディープスキャン」で他の失われたデータを検索します。スキャンが完了すると、削除されたファイルや紛失したファイルが表示されます。

ファイル名やフォルダー名を簡単に入力して、ファイルやフォルダーを検索できます。ファイル名やフォルダー名を検索したり、ファイルサイズ、変更日、ファイルタイプでフィルター処理することもできます。

ステップ3. 保存先を選択

「フォルダーの選択」ボタンをクリックして、復元したファイルを保存するパスを選択します。

ファイルの上書きを避けるため、復元されたファイルを元場所と異なるディスクで保存しなければなりませんので注意してください。

方法6|どうしても復元できない時は?データ復元の専門業者に依頼する

自力での復元が難しい場合や、物理的な故障・破損が疑われる場合は、専門のデータ復元業者に依頼するのが最も確実な方法です。専門業者は高度な技術と専用機器を用いて、消失したデータの復旧を試みます。専門業者に依頼するメリットは、物理障害(ハードディスク故障など)にも対応可能です。

専門業者の選び方のポイント:
実績が豊富で信頼できる会社を選ぶ
復元成功率や料金体系が明確な業者
データの秘密保持に配慮したプライバシーポリシーがあるか

一般的な専門業者への依頼手順は以下の通り:

ステップ 1. 業者のウェブサイトや電話で問い合わせをして、見積もり方法を確認します。

ステップ 2. デバイスを業者に送付または持ち込みを行います。運送中の破損防止のため、梱包は丁寧に行うことが大切です。

ステップ 3. 診断結果と費用、復元可能性の説明を受け、依頼の可否を判断します。

ステップ 4. 正式に復元作業を依頼し、進捗状況を適宜確認します。

ステップ 5. 最後は、復元されたデータを受け取り、内容を確認します。確認したら、データのバックアップを速やかに行いましょう。

復元失敗を防ぐために知っておきたい!失敗しない復元のポイント

パソコンで消してしまったデータを復元する際には、いくつかの注意点を守ることが成功率を大きく左右します。以下のポイントを押さえて、失敗を防ぎましょう。

1. データが消えたドライブへの書き込みを避ける

データ復元の基本は、消えたデータが保存されていたドライブ(Cドライブや外付けドライブなど)に新たなファイルを書き込まないことです。新しいデータで上書きされてしまうと、消えたファイルの痕跡が消え、復元が難しくなります。

2. コマンドは慎重に使う

コマンドプロンプトの操作は誤った操作はデータをさらに損傷させる可能性があります。特にコマンド入力は細心の注意を払い、ガイドを確認してから実行しましょう。

3. すぐに復元作業を開始する

時間が経過するほど、データの上書きやドライブの状態変化が進み、復元率は低下します。データを誤って消してしまったら、できるだけ早く復元作業を開始することが大切です。

4. 復元先は必ず別のドライブを指定する

復元したファイルの保存先は、元のデータがあったドライブとは別の場所にしましょう。同じドライブに保存すると、復元すべきデータの上書きリスクが高まります。

5. 物理故障が疑われる場合は自力復元を控える

ハードディスクから異音がする、パソコンが起動しないなどの物理的な故障が疑われる場合は、無理に自力で復元しようとせず専門業者に相談しましょう。誤った操作が故障を悪化させ、復元不可能になる恐れがあります。

二度と困らない!今すぐできるパソコンのデータ消失予防対策

データの消失は誰にでも起こり得るトラブルですが、日頃から適切な対策を講じておくことで、万一の際も被害を最小限に抑えることが可能です。ここでは特に重要な対策をいくつかご紹介します。

1. 定期的なバックアップを習慣化する

最も基本的かつ効果的な対策は、定期的にデータのバックアップを取ることです。クラウドストレージの活用(Google Drive、OneDrive、Dropboxなど)により、インターネット経由で自動的にバックアップを行うか、外付けハードディスクやUSBメモリへの手動バックアップもOKです。

2. ゴミ箱の自動削除に注意し、設定を見直す

ゴミ箱の容量を適切に設定し、大切なファイルがすぐに削除されないように調整し、ゴミ箱を空にする前に内容をよく確認する習慣をつけましょう。なお、ゴミ箱には、「削除の確認メッセージを表示する」設定と「ごみ箱にファイルを移動しないで、削除と同時にファイルを消去する」設定があります。ゴミ箱のアイコンを右クリックし、「プロパティ」を選び、「削除の確認メッセージを表示する」のチェックを入れて、「ごみ箱にファイルを移動しないで、削除と同時にファイルを消去する」のチェックを外しましょう。

3. ウイルス対策ソフトを導入し、定期的にスキャンする

ウイルスやマルウェアの感染が原因でファイルが破損・削除されるケースも多くあります。信頼できるウイルス対策ソフトを導入し、リアルタイム保護を有効にしましょう。

まとめ

パソコンで誤って消してしまったデータの復元は、まず落ち着いて正しい手順を踏むことが大切です。本記事で紹介したように、ゴミ箱の確認やファイル履歴からの復元、コマンドプロンプトやWindows公式ツールの利用、専用復元ソフトの活用、さらには専門業者への依頼と、状況に応じて適切な方法を選択できます。

また、復元作業に失敗しないためにはデータの上書きを防ぎ、復元先を別ドライブにするなどの注意点を守ることが重要です。今後のデータ消失を防ぐためには、定期的なバックアップやウイルス対策、ソフト・OSの更新も欠かせません。これらの対策を実践し、大切なデータをしっかり守りましょう。