保存せずに閉じたファイルも諦めないで!Word・Excelの自動保存や復元手順、さらにおすすめのデータ復元ツールで大事なデータを取り戻す方法をわかりやすく紹介します。
パソコン作業中に「保存せずに閉じてしまった」「上書き保存したはずなのにファイルが消えた」といった経験はありませんか? 特にWordやExcelなどの重要なファイルを失うと、大切な資料の作成や業務に大きな支障をきたしてしまいます。
しかし、諦めるのはまだ早いです。
Microsoft Officeには自動保存や自動回復といった便利な機能が搭載されており、正しい手順を踏めば、保存し損ねたファイルを復元できる可能性があります。さらに、専用のデータ復元ソフトを利用すれば、より確実にファイルを取り戻すことも可能です。ファイルが消えてしまって困っている方は、ぜひこの記事を参考に、落ち着いて対応してください。
パソコン作業中、せっかく作成・編集したファイルが突然消えてしまうと、大きなショックを受けますよね。特にWordやExcelなどでは、ファイル保存を忘れたまま閉じてしまったり、予期せぬトラブルが発生したりすることで、データを失うリスクが高まります。
ここでは、保存しなかったファイルが消える主な原因を紹介します。
1. 手動での保存忘れ
作業に集中していると、ついこまめな保存を忘れてしまうことがあります。特に短時間の作業や、編集回数が少ないと、「あとで保存しよう」と思ったまま閉じてしまうケースが多いです。
2. ソフトウェアのクラッシュやフリーズ
WordやExcelなどのアプリケーションが突然クラッシュした場合、保存されていない作業内容が消失する恐れがあります。クラッシュの原因には、メモリ不足、バグ、重すぎるファイルサイズなどが挙げられます。
3. システムエラーや電源トラブル
パソコン自体がフリーズしたり、急なシャットダウンや停電が発生したりすると、保存していないファイルは正常に記録されません。特に、ノートパソコン使用時のバッテリー切れには要注意です。
4. 上書きミス
本来なら別名保存をすべきところを、間違って上書き保存してしまい、元のデータを失うケースもあります。これにより、必要な情報が消えてしまう場合があります。
このように、ファイルが消える原因はさまざまですが、対策や復元方法を知っていれば、落ち着いて対応することが可能です。
WordやExcelなどのMicrosoft Office製品には、作業中のデータを自動で保存してくれる機能が搭載されています。
これにより、突然のソフトウェアのクラッシュや予期しない電源オフによって、保存し忘れたファイルの内容が失われるリスクを大幅に減らすことができます。
ここでは、主な自動保存機能について詳しく見ていきましょう。
自動保存(AutoSave)機能
AutoSave(オートセーブ)とは、ファイルをクラウド(OneDriveやSharePoint)に保存している場合に、変更内容を数秒単位でリアルタイムに自動保存してくれる機能です。
AutoSaveが有効になっていれば、たとえパソコンが突然落ちても、最新の状態が保存されているため、作業内容をほとんど失わずに済みます。
この機能は、Office 365やMicrosoft 365の最新版アプリケーション(Word、Excel、PowerPointなど)で標準搭載されています。
注意点として、ローカル保存のみの場合はAutoSaveが働かないため、クラウド利用が前提となります。
自動回復(AutoRecover)機能
AutoRecover(自動回復)は、ファイルを手動保存していない場合でも、一定時間ごとに作業中の情報を自動的にバックアップしてくれる機能です。
たとえば、5分ごとに自動回復用のファイルが作成される設定になっていると、突然WordやExcelが落ちても、直前の作業内容を復元できるチャンスがあります。
ただし、AutoRecoverファイルはあくまで一時的なバックアップなので、アプリケーションを正常に終了すると自動的に削除されます。
こまめな手動保存も引き続き重要です。
このように、Microsoft Officeには、ファイルを失わないための強力な仕組みが備わっています。
次章では、これらの機能を活用して保存されなかったファイルを実際に復元する方法について詳しく解説していきます。
ExcelとWordの2つの一般的な作業ソフトウェアから失われたファイルを個別に回復する方法を紹介します。ただし、複数のファイルを同時に迅速に回復したい場合は、信頼性の高いツールを使用して問題を効果的に修正することをおすすめします。
Excelには自動的にファイルを保存する機能が組み込まれています。通常、デフォルトで有効になっているため、前の設定を保持していればこの方法が機能します。保存されていないExcelファイルを回復しましょう。
ステップ 1. 新しいExcelブックを開き、「ファイル」ボタンをクリックします。
ステップ 2. 「開く」を選択し、左上の「最近使ったアイテム」を選択します。
ステップ 3. 「保存されていないブックの回復」ボタンをクリックします。
ステップ4. 保存されていないブックのリストをスクロールして目的のファイルを見つけ、それを回復するために「名前を付けて保存」オプションを選択します。
自動保存機能を有効にすると、設定に従って数分ごとにファイルが保存され、偶発的な終了やシステムのクラッシュ後に保存されていないファイルを回復することができます。つまり、作業中に保存されたかどうかに関係なく、保存されていないExcelファイルを回復することができます。
したがって、まず機能の状態を確認する必要があります。
ステップ 1. Excelのメインタブで「ファイル」ボタンをクリックし、「オプション」を選択します。
ステップ 2. 左側のペインで、「オプション」ダイアログの下にある「保存」を選択します。
ステップ 3. 画像に示すように、機能の状態を確認します。必要に応じて自動保存時間を設定します。
機能が有効になっている場合、ファイルに編集を加えてから指定した時間が経過すると、「ファイル」タブのメニューの中にある「情報」の「バージョン履歴」をクリックします。データの日時が記載されているバージョン履歴が表示されるため、その中から戻したいバージョンの「バージョンを開く」をクリックします。そのバージョンのデータをExcel上で開いて内容を確認し、問題なければ「復元」をクリックします。これで、元の状態のファイルを上書き保存することができます
最後に、Excelの「保存」オプションをクリックして通常どおりファイルを保存できます。
自動保存に似ているWordにも、自動的にファイルを保存する組み込み機能があります。この機能を事前に有効にしておけば、この方法で保存されていないWord文書を回復する方法を学ぶこともできます。
ステップ 1. ファイルの保存パス(例:C:\Users\Username\AppData\Local\Microsoft\Office\UnsavedFiles)を見つけます。
ステップ 2. ここで、復元したいWord文書のファイル名をコピーします。
ステップ 3. Microsoft Wordを開き、「ファイル」をクリックします。そして、「情報」→「ドキュメントの管理」をクリックし、ドロップダウンリストから「保存されていない文書の回復」を選択します。コピーしたファイルをファイル名欄に貼り付け、「開く」をクリックしてください。
ステップ 4. 復元されたファイルを確認し、「名前を付けて保存」ボタンをクリックして保存します。
ステップ 1. Wordを開き、左上隅の「ファイル」をクリックします。
ステップ 2. 「ドキュメントの管理」をクリックし、ドロップダウンリストから「保存されていない文書の回復」を選択します。
ステップ 3. 最近紛失した文書であれば、このウィンドウに表示されるはずです。対象のWord文書を開き、上部バナーの「名前を付けて保存」ボタンをクリックします。
OneDriveは人気のあるクラウドストレージツールで、ホスティングと同期サービスを提供しています。OneDriveユーザーなら、PCにローカルではなくOneDriveにファイルを保存することができます。
作業中に、Wordは自動回復機能をオンにするために左上のボタンをクリックすると、数秒ごとに自動的にドキュメントを保存します。つまり、以前のバージョンオプションのOneDriveで保存されていないWord文書を回復することができます。
ステップ 1. OneDriveを開き、「ファイル」をクリックします。その後、ターゲットファイルを選択し、右クリックします。
ステップ 2. 「バージョン履歴」を選択してファイルの詳細を表示します。
ステップ 3. ファイルのバージョンの詳細を見つけることができます。それをクリックして、ファイルを保存したいターゲットフォルダに保存します。
万が一、Microsoft Officeの自動保存機能や手動での復元作業でファイルが見つからない場合でも、まだ復元の可能性は残されています。そんなときに頼りになるのが、専用のデータ復元ソフトです。特におすすめなのが、Partition Assistant for Recoveryです。このツールは、消失したWord文書やExcelファイルはもちろん、画像・動画・圧縮ファイルなど、さまざまな形式のデータをまとめて高速スキャン・一括復元できるのが特長です。
ステップ1. 場所を選択
Partition Assistant for Recoveryをインストールして起動します。データが失われたドライブ(エクセル・ワードの保存先、この例はCドライブ)を選択し、「スキャン」をクリックします。
ステップ2. ファイルを選択
「クイックスキャン」で削除されたデータを迅速に検出し、その後「ディープスキャン」で他の失われたデータを検索します。スキャンが完了すると、削除されたファイルや紛失したファイルが表示されます。
ステップ3. 保存先を選択
「フォルダーの選択」ボタンをクリックして、復元したファイルを保存するパスを選択します。
ファイルを保存せずに失ってしまうトラブルは、誰にでも起こりうるものです。
しかし、いくつかの対策を日常的に取り入れることで、データ紛失のリスクを大幅に減らすことができます。ここでは、今後同じミスを繰り返さないためにおすすめの対策をご紹介します。
1. 自動保存機能を必ず有効にする
Microsoft Officeの自動保存(AutoSave)機能は、必ず有効に設定しておきましょう。
特にOneDriveやSharePointなど、クラウドストレージと連携して作業することで、リアルタイムで変更内容が保存されるため、万一の場合でもほぼデータを失うことがありません。
2. 作業中はこまめに手動保存を行う
どんなに自動機能があっても、手動で「Ctrl+S」キーを押して保存する習慣をつけることが基本です。
特に、大きな変更を加えた後や長時間の作業後は、意識して保存する癖をつけましょう。
3. 定期的なバックアップを取る
重要なファイルは、パソコン本体だけでなく、外付けハードディスクやクラウドストレージに定期的にバックアップを取りましょう。
万が一パソコン自体が故障しても、バックアップがあれば復元が可能です。
4. デバイスのメンテナンスを怠らない
ソフトウェアやOSのアップデートを怠ると、クラッシュやフリーズのリスクが高まります。
常に最新バージョンに保つことで、安定した作業環境を維持しましょう。
また、不要なファイルを整理して、パソコンの動作負荷を軽減することも大切です。
ファイルを保存せずに閉じてしまったり、上書き保存後にデータが消えたりすると、非常に不安になるものです。しかし、WordやExcelには自動保存・自動回復といった便利な機能が搭載されており、適切な手順を踏めば、失われたデータを取り戻せる可能性があります。今回ご紹介した方法を知っておくことが、いざというときに大きな助けになります。また、今後同じトラブルを防ぐためには、日ごろからのこまめな保存や、クラウドバックアップの習慣づけが非常に重要です。事前にできる対策をしっかり行い、大切なデータを守っていきましょう。