バックアップファイルを削除してストレージを整理する方法

パソコンを長く使っていると、気づかないうちに大量のバックアップファイルが蓄積してしまいます。最初は安心のために必要だと思っていても、古くなったバックアップはほとんど使われず、むしろストレージを圧迫する存在になりがちです。この記事では、バックアップファイルとは何か、なぜ残りが溜まるのか、そして残留バックアップを安全に削除してストレージを整理する方法について詳しく説明していきます。

投稿者 @ひとみ 2025年08月19日 更新者 @ひとみ 2025年08月19日

バックアップファイルとは何か?

バックアップファイルは、コンピュータのデータを守るために保存されるコピーのことを指します。 OSやアプリによって保存形式や保存場所は異なりますが、基本的には「万一のトラブル時に復元できるように」作られています。

①Windowsのバックアップ機能で作成されるファイル

Windows 10や11には「バックアップと復元(Windows 7)」機能や「ファイル履歴」機能があります。これらを有効にしていると、ユーザーデータやシステム全体のコピーが定期的に作成されます。便利ではありますが、自動保存されるため、古いものを削除しない限りストレージをどんどん消費します。

②アプリケーションが自動生成するバックアップ

Microsoft OfficeやAdobeソフトなど、一部のアプリケーションは作業中に自動的にバックアップを保存する仕組みを持っています。特に大きなプロジェクトファイルでは複数のバックアップが生成されるため、知らないうちに数GBの余分なファイルが溜まることもあります。

③システム復元ポイントとの違い

システム復元ポイントもバックアップの一種ですが、これはファイル単位ではなくWindows全体の状態を保存したものです。そのため、通常のバックアップファイルとは役割が異なり、削除の扱いにも注意が必要です。

バックアップファイルを削除するメリット

バックアップを削除することには、多くのメリットがあります。ただし「最新のものを残す」というルールを守ることが大前提です。

  • ストレージ容量を大幅に節約:古いバックアップを削除するだけで、数十GBの空き容量が戻ってくることがあります。特にSSDを搭載したPCでは、容量不足が深刻になりやすいので、削除の効果をすぐに実感できるでしょう。

  • PCの動作を軽快に保つ:ストレージの空き容量が増えると、システムの動作もよりスムーズになります。特にSSDの場合、容量不足が速度の低下に直結するため、不要なバックアップを削除することが快適な動作を維持するのに役立ちます。

  • 不要なセキュリティリスクを減らす:古いバックアップには過去の個人情報や機密データが含まれていることがあります。これを残しておくと、万が一外部に流出した場合にリスクとなる可能性があるため、安全のためにも削除することが推奨されます。

Windowsで残留バックアップを削除する方法

Windowsには、バックアップや復元ポイント、ファイル履歴などの機能があります。しかし古いバックアップを長期間残しておくと、ストレージ容量を圧迫し、パソコンの動作が遅くなる原因になることもあります。ここでは、Windowsで不要になった残留バックアップを安全に削除する方法を5つ紹介します。

方法1. 「バックアップと復元」から古いバックアップを削除する

Windows 10/11には「バックアップと復元(Windows 7)」という機能があり、古いバックアップを手動で管理できます。コントロールパネルからこの機能にアクセスし、古いバックアップを選んで削除することで、ストレージの無駄を減らせます。

ステップ 1. 検索ボックスでコントロールパネルを検索し、クリックします。

ステップ 2. コントロールパネルのカテゴリから「システムとセキュリティ」を選択します。

ステップ 3. 「システムとセキュリティ」ウィンドウで「バックアップと復元」をクリックします。

ステップ 4. 「バックアップと復元」ウィンドウで「領域を管理します」をクリックします。

ステップ 5. 「バックアップの表示」をクリックし、削除したいバックアップを選択して削除します。

ステップ 6. 削除の確認メッセージが表示されるので、「削除する」をクリックします。

ステップ 7. 削除が完了したら、「閉じる」をクリックします。

方法2. 無料クリーンアップツールを使って削除する

専門的なクリーンアップソフトを使えば、システム内に残っている不要なバックアップファイルを一括でスキャン・削除できます。ツールによっては、重複ファイルやその他の不要データも同時に削除できるため、効率的なストレージ管理が可能です。

Partition Assistant for Cleanupは、システム全体をスキャンし、古いバックアップや残留データを簡単に見つけ出すことができます。削除前にプレビューで内容を確認できるため、誤って必要なバックアップを消してしまう心配がありません。また、バックアップファイルを削除することで空き容量が確保され、ストレージの負担が軽減されるため、PCの動作がよりスムーズになります。

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ステップ 1. Partition Assistant for Cleanupをインストールして起動します。「ジャンクファイルの削除」タブをクリックします。「スキャン開始」ボタンをクリックして、ジャンクファイルのスキャンを開始します。

ステップ 2. スキャン処理が完了すると、すべてのシステムジャンクファイル(ごみ箱ファイル、一時ファイル、ログファイル、無効なショートカットなど)とレジストリジャンクファイル(DLLレジストリ、システムレジストリ、プログラムレジストリなど)が表示されます。不要なファイルを選択したら、「今すぐ削除」ボタンをクリックしてクリーンアップを開始します。

ステップ 3. クリーンアップには時間がかかる場合があります。選択したファイルがクリーンアップされます。プロセスが完了すると、クリーンアップ完了ウィンドウが表示され、クリーンアップ済みのファイルとまだクリーンアップされていないファイルの数が表示されます。

方法3. ファイル履歴をクリーンアップする

ファイル履歴機能を利用している場合、古い履歴データが蓄積してディスクを圧迫します。設定画面からファイル履歴の保持期間を短く設定したり、古い履歴を削除することで空き容量を確保できます。

ステップ 1. 「コントロールパネル」を開き、「システムとセキュリティ」タブの下にある「ファイル履歴でファイルのバックアップコピーを保存」を選択します。

ステップ 2. 左側のサイドバーで、「詳細設定」を選択します。

ステップ 3. 「詳細設定」で、「古いバージョンのクリーンアップ」を選択します。

ステップ 4. ドロップダウンメニューから、バックアップを削除する期間を選択します。

ステップ 5. クリーンアップをクリックします。

ファイル履歴のバックアップを無効にしたい場合は、「ファイル履歴」ウィンドウの「オフにする」ボタンをクリックするだけです。

方法4. システムの復元ポイントを削除する

Windowsの復元ポイントは便利ですが、多く保存されているとかなりの容量を消費します。「システムの保護」設定から不要な復元ポイントを削除することで、数GB単位の容量を取り戻せることがあります。

ステップ 1. 「スタート」ボタンを右クリックし、表示された一覧の中から「システム」をクリックします。

ステップ 2. 「バージョン情報」が表示されましたら、「関連リンク」項目にある「システムの保護」をクリックします。

ステップ 3. 「システムのプロパティ」の「システムの保護」タブ画面が表示されます。保護設定の利用できるドライブからすべての復元ポイントを削除したいドライブを選択し、「構成」をクリックします。

ステップ 4. 「システム保護対象(選択したドライブ名)」画面が表示されます。画面下部にある「このドライブのすべての復元ポイントを削除します。」欄の「削除」をクリックします。 ※削除すると「現在の使用量:」部分に表示されている容量分が、Cドライブの空き容量になります。

ステップ 5. 「このドライブで、システムに加えた不要な変更を元に戻すことはできなくなります。続行しますか?」というメッセージが表示された場合は「続行」をクリックします。

ステップ 6. 「復元ポイントは削除されました」と表示されます。「閉じる」をクリックします。

ステップ 7. 「システムのプロパティ」画面に戻るので、「OK」を選択して、終了します。

方法5. 手動でフォルダから削除する

場合によっては、ユーザーが直接バックアップ保存フォルダ(外付けHDDや特定ディレクトリ)にアクセスして古いバックアップを削除するのも有効です。ただし、必要なデータまで誤って削除しないよう、実行前に内容を確認することが大切です。

ステップ 1. 外付けHDDや指定フォルダ(例:D:\Backup)を開きます。

ステップ 2. 不要なフォルダやファイルを右クリックして「削除」を選びます。

ステップ 3. 完全に削除するには、ごみ箱も空にしましょう。

バックアップ削除の注意点

バックアップ削除は非常に有効な方法ですが、やり方を間違えると大切なデータを失うリスクがあります。安全に作業を行うための注意点を押さえておきましょう。

1. 最新のバックアップは残すこと

最も重要なのは「最後のバックアップを削除しない」ことです。すべて削除してしまうと、トラブル発生時に復元できなくなります。削除は必ず古い世代だけを対象にしましょう。

2. システム復元ポイントとの区別

バックアップと復元ポイントを混同して削除すると、予期せぬ不具合が発生する可能性があります。復元ポイントはWindowsの動作安定性に直結するため、削除前にきちんと区別しておきましょう。

誤削除防止のための確認ステップ

削除前に、

  • バックアップの作成日
  • 保存対象のフォルダやドライブ
  • 最新版の存在確認

これらを確認することで、誤って必要なデータを消してしまうリスクを避けられます。

まとめ

バックアップファイルは安心のために必要ですが、古くなったものや残留ファイルはただのストレージの無駄遣いです。定期的に古いバックアップを削除し、最新のものだけを残すことで、容量不足の解消・動作改善・セキュリティ強化という3つの効果を得られます。 Windows標準機能やPartition Assistant for Cleanupを活用しながら、安全に効率的にバックアップを管理していきましょう。