共有フォルダを削除したけどゴミ箱にない場合の復元方法

共有フォルダをうっかり削除してしまい、「ゴミ箱にもない!どうしよう!」と焦っていませんか?特に業務用のPCや家庭内ネットワークで共有していた重要なフォルダが消えてしまった場合、その損失は大きいですよね。しかし、あきらめるのはまだ早いです。この記事では、Windows 11/10で共有フォルダ削除した場合の復元方法を、初心者にもわかりやすく説明します。

投稿者 @ひとみ 2025年05月07日 更新者 @ひとみ 2025年05月07日

共有フォルダとは?

共有フォルダとは、複数のユーザーが同じネットワーク内でファイルやフォルダを閲覧・編集できるように設定されたフォルダのことです。Windowsの「共有」機能を使うことで、家庭内やオフィス内でファイルのやり取りがスムーズになり、USBメモリやメールに頼らずにデータを共有できます。特に仕事の場では、プロジェクトの資料や作業データをみんなで管理・更新することがよくあります。

たとえば、オフィス内で1つのプロジェクトフォルダを複数人が編集できるようにしたり、自宅のリビングPCに保存してある写真を寝室のノートパソコンから閲覧する、という使い方が可能になります。

Windowsでは「プロパティ」→「共有」タブからフォルダを共有設定することで、ネットワーク内での利用が可能になります。

▶共有フォルダの削除は、以下の点において注意が必要です:
削除すると「共有された他ユーザー」全員から見えなくなる。
ネットワーク経由で削除された場合、ローカルゴミ箱に入らない。
同期サービス(例:OneDriveやGoogle Drive)を使っていない限り、クラウドバックアップはされていないことが多い。

また、共有フォルダを削除すると、元に戻すための「ヒント」が非常に少ないため、できるだけ迅速に対処することが成功のカギになります。

共有フォルダを削除したのにゴミ箱にない理由

共有フォルダを削除した際、「ゴミ箱に入っていない」「見つからない」という経験をしたことがある人も多いかもしれません。これは、共有フォルダがローカルのドライブではなくネットワークドライブ上にあるためです。Windowsのゴミ箱は通常、自分のPCのローカルドライブ上の削除されたファイルだけを扱います。そのため、共有フォルダに保存されたファイルやフォルダを削除しても、自動的にゴミ箱には移動されないのです。

多くのユーザーが勘違いしている点ですが、共有フォルダは「ローカルフォルダ」ではない場合、削除してもゴミ箱には送られません。これは、以下のような理由があります:

  • ネットワークドライブ(NASなど)で削除したファイルは、PCのゴミ箱に移動しない。

  • 管理者権限を持たないユーザーが削除すると、即時削除される場合がある。

  • コマンドプロンプトやスクリプトで削除した場合、「完全削除」扱いとなることが多い。

共有フォルダは、多くの場合「ホストPC上」に存在し、他のPCはそれにアクセスしているだけです。つまり、自分のパソコンで削除したつもりでも、実際には別のPC上のデータを操作しているだけだった、というケースも少なくありません。

この場合、削除操作が「ホストPCのゴミ箱に送られている」可能性があります。つまり、削除した側ではなく、ホストPCをチェックすることで復元できることもあるのです。

Windows 11/10で削除した共有フォルダを復元する方法

削除してしまった共有フォルダを復元するためには、いくつかの方法があります。削除後の時間が短いほど、復旧の可能性が高くなります。以下の方法を状況に応じて試してみましょう。

方法1. Ctrl + Zで復元する

一番シンプルで効果的なのがCtrl + Z(取り消し)です。Windowsは削除を含むファイル操作の多くを「取り消し」可能な状態で一時的に保持しています。削除してから他の操作をせずにすぐ「Ctrl + Z」キーを押せば、削除をキャンセルして元の場所に戻すことができます。

この方法は、削除後に他の操作やシャットダウン・再起動をしていない場合に限ります。削除に気づいたらすぐに試すことが大切です。

方法2. ショートカットと履歴を使用する

共有フォルダの中に保存されていたファイルに対してショートカットを作成していた場合、ショートカットの「プロパティ」から元のフォルダの場所が分かれば、別の方法で復元が可能になる場合もあります。

また、「クイックアクセス」や「最近使ったファイル」から、削除前のフォルダのパスをたどることもできるので、履歴の確認は最初にやっておくべきステップの一つです。

方法3. データ復旧ソフトを使う

共有フォルダが一度削除されると、ゴミ箱には入らないため、専門のデータ復元ソフトを利用することが重要になります。共有フォルダが保存されていたPCやサーバーのローカルディスクをスキャンすることで、削除されたデータを復元できる可能性があります。ここでおすすめなのが、「Partition Assistant for Recovery」などの高機能な復元ソフトです。

Partition Assistant for Recoveryは、Windows 7、8、10、11に対応した直感的なデータ復旧ソフトです。ユーザーフレンドリーなインターフェースで、PDFやWord文書Excelファイル、画像、動画など1000種類以上のファイル形式を迅速に復元できます。

このようなツールは、フォルダ単位でもファイル単位でも、高速スキャンとディープスキャンの両方を活用して、削除されたデータの痕跡を探します。インストール先のドライブを変更するなど、新しいデータを書き込まないようにするのが成功のコツです。

※注意:以前のデータが上書きされる恐れがあるため、データが失われたパーティションに本ソフトウェアをダウンロードしてインストールしないでください。

AOMEI Partition Assistant for Recovery

プロのなWindowsデータ復旧ソフトでさまざまな状況から失われたデータを復元できる

ステップ1. 場所を選択

Partition Assistant for Recoveryをインストールして起動します。データが失われたドライブを選択し、「スキャン」をクリックします。

ステップ2. ファイルを選択

「クイックスキャン」で削除されたデータを迅速に検出し、その後「ディープスキャン」で他の失われたデータを検索します。スキャンが完了すると、削除されたファイルや紛失したファイルが表示されます。ファイル名やフォルダー名を簡単に入力して、ファイルやフォルダーを検索できます。ファイル名やフォルダー名を検索したり、ファイルサイズ、変更日、ファイルタイプでフィルター処理することもできます。

ステップ3. 保存先を選択

「フォルダーの選択」ボタンをクリックして、復元したファイルを保存するパスを選択します。(ファイルの上書きを避けるため、復元されたファイルを元場所と異なるディスクで保存しなければなりませんので注意してください。)

方法4. ファイル履歴から復元する

Windowsの「ファイル履歴」機能をオンにしていた場合は、共有フォルダの過去の状態にさかのぼって復元できる可能性があります。 「コントロールパネル」→「ファイル履歴」→「個人用ファイルの復元」を開き、削除された日時以前のバージョンから共有フォルダを選んで復元できます。

ただし、ファイル履歴はローカルPCに保存されているデータが対象であり、ネットワーク共有フォルダが履歴対象になっていないこともあるため、事前設定がされていたかの確認が必要です。

ステップ 1. 検索バーに入力して「コントロールパネル」を開き、「システムとセキュリティ」をクリックし、「ファイル履歴」を選択します。

ステップ 2. 「ファイルの履歴」タブの下で、「個人用ファイルの復元」を選択します。

ステップ 3. 削除したファイルまたはそれを含むフォルダを探し、ファイルを見つけて緑色の「復元」ボタンをタップします。

方法5. 以前のバージョンから復元する

共有フォルダが保存されていたフォルダまたはドライブの「以前のバージョン」を利用することもできます。エクスプローラー上で該当するフォルダを右クリックし、「以前のバージョンの復元」を選択すると、システムによって自動的に保存されていたバックアップ(シャドウコピー)からファイルを復元できます。

この方法も、あらかじめシステム保護やボリュームシャドウコピーが有効になっていないと利用できませんが、設定していればかなり有効な復元手段です。

ステップ 1. エクスプローラーを起動し、削除前にファイルが保存されていたフォルダーを見つけます。

ステップ 2. 復元したいフォルダを右クリックし、「プロパティ」をクリックします。

ステップ 3. 「以前のバージョン」タブを選択すると、過去にそのフォルダに存在していたファイルやフォルダの一覧が表示されます。

ステップ 4. 復元可能なバージョンを選び、「復元」または「開く」で中身を確認しながら、必要なファイルを取り出すことができます。

方法6. システムの復元ポイントを利用する

もうひとつの方法が「システムの復元ポイント」を利用する方法です。これはパソコンのシステム全体のスナップショットを取る機能で、共有フォルダを含むファイルも含めて元の状態に戻すことができます。

注意点としては、アプリのインストール状態やシステム設定も戻ってしまうため、慎重に扱う必要があります。

ステップ 1. Windowsの検索バーに「復元ポイントの作成」と入力し、「開く」をクリックします。

ステップ 2. システムの復元ウィザードが表示されるため、「システムの復元」ボタンをクリックします。

ステップ 3. 「次へ」をクリックし、希望するシステムの復元ポイントを選択し、手順を完了するための指示に従います。警告ウィンドウが表示された場合は、「はい」をクリックします。

まとめ

共有フォルダを削除した際にゴミ箱に表示されない主な理由は、共有フォルダがネットワークドライブ上に存在するためです。Windowsのゴミ箱は通常、ローカルドライブ上の削除されたファイルのみを扱います。そのため、ネットワーク上の共有フォルダからファイルを削除しても、自動的にゴミ箱には移動されません。

削除された共有フォルダを復元する方法として、以下の手順が有効です。操作ミス直後ならCtrl + Z、少し時間が経っている場合は履歴や復元ソフトを活用しましょう。バックアップ機能が働いていない場合には、「Partition Assistant for Recovery」のようなツールを用いることで、最も安全かつ確実にデータを取り戻すことができます。